キラリと光るかくだ星《未来の角田市を担う人を紹介》

5／43

株式会社サウスアップ代表取締役
南條　稔(なんじょう　みのる)さん(48歳)

■お客様の希望を叶え満足のいく仕上がりを提供
藤尾地区にある株式会社サウスアップで代表取締役を務める南條稔さん。同社は車体に専用のフィルムを貼り付けるカーラッピングというサービスを提供しているほか、中古車の販売をしています。カーラッピングは塗装とは異なり、気軽にカラーやデザインを繰り返し変更できるほか、フィルムを貼ることで細かな傷から保護できる点が魅力として挙げられます。
世界的な材料科学メーカーのエイブリィ・デニソン社のカーラッピングインストーラーとして現在認定されているのは、県内では南條さんただ一人。東北の中でもごくわずかな認定者ということもあり、県内外から年間300台以上の発注があります。これまでに手がけたものは個人の車のほかにレーシングカーや企業のオフィシャルカーなど。東京オリンピック2020のトーチリレー用車両や芸能人の車両にラッピングを施したこともありました。
もともとはお父さんが自動車整備会社を営んでおり、跡を継ぐことを考えていたそうですが、人口減少で自動車の所有者が減る中、自動車業界でどのように生き残るか考えた際、10代の頃に友人の車をラッピングした経験を生かせることから、会社を立ち上げようと決めました。
お客様から依頼を受けて納品までに要する時間は、デザインから行う場合で4週間ほど。長年維持できるように手作業で1カ所ずつ丁寧に貼り付けることを心掛けています。「塗装かと思った」と言われるほどの高いクオリティが喜ばれており、リピーターも多いそうです。
普段からSNSを活用し海外の流行を調べ、デザインの勉強や最先端のトレンドを押さえる努力を欠かさない南條さん。「目的やどんなデザインを望んでいるか、お客様とイメージを共有することが難しいです」と話す一方、「利用者から『またやってほしい』と声をかけていただけることが嬉しく、やりがいにつながります」と笑みをこぼしていました。
社名などを掲載することで広告の役割を果たせることから、個人だけでなく企業からも年々需要が高まるカーラッピング。今後も県内唯一の認定者として、活躍が大いに期待されます。