国では自死が最も多い3月を「自殺対策強化月間」と定めています。
自死は、その多くが健康や仕事の悩み、経済問題、家庭・学校での問題などさまざまな要因が連鎖し複雑に絡み合い、追い込まれた末の死です。そしてその多くが防ぐことができる社会的な問題と言われています。
特に3月から4月にかけては、進学や就職、転勤などにより環境の変化が大きい時期です。慣れない環境に心身が追い付かず、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまうことがあります。限界を迎える前に信頼できる周囲の人や各相談機関(9ページ参考)に早めに相談しましょう。
近年では、SNSなどインターネットでのコミュニケーションが普及したことにより、ネット上でのいじめや誹謗(ひぼう)中傷などが相次いでいます。文部科学省の調査※では、令和4年度のインターネット上のいじめについて、約2万4千件と前年より約2千件増加していることが明らかになっています。
SNSなどはとても便利ですが、心が疲れてしまわないように適度な距離を保って正しく利用しましょう。
※参考:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた緊急対策等について」
◆市での取り組み
▽心の相談
市では、専門医(精神科医)による「心の相談」を月に1回行っています。専門医と保健師がチームとなり、相談の内容を一緒に考え対応しています。
眠れない・気分が落ち込む・落ち着かないなどの悩みをお持ちの人、またはその家族が利用できます。
※今月の日程は21ページに記載しています。
[相談までの流れ]
1.予約
保健師が電話で相談の概要をお聞きし、精神科医との相談の予約を取ります。
2.確認
精神科医との相談の前に、保健師と電話または対面で相談内容の確認を行います。お聞きした内容を精神科医へお伝えします。
3.相談
精神科医との相談(30~45分程度)基本的には保健師が同席しています。
※相談終了後は、状況に応じ保健師が継続して相談に応じることが可能です。
▽ゲートキーパー養成講座
ゲートキーパーとは、自死の危険を示すサインに気づき適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことです。特別な資格は必要なく、誰でもゲートキーパーになることができます。
市では、毎年「ゲートキーパー養成講座」を開催しています。令和5年度は民生委員・児童委員を対象に講座を行いました。市の自死の現状を伝えた後、講師からゲートキーパーの心得について話がありました。また、DVDを視聴し、悩みを相談された際の良い対応例・悪い対応例について学び、実際に良い対応のシナリオを用いて二人一組でロールプレイをして理解を深めました。
今後は市民の皆さんにも広くゲートキーパーの輪を広げていく予定です。
◆相談窓口
一人で抱え込まず、悩みを相談してみませんか。
周りに悩んでいる人がいたら、声をかけ相談窓口を紹介しましょう。
▽市の相談窓口
▽宮城県内・その他の相談窓口
近年では、SNSやLINEで相談できる窓口や「生きづらさ」で悩んでいる人たちと気持ちを共有したり情報を交換したりできるWebサイトも増えています。自分に合った方法で相談しましょう。
◆Web相談窓口
生きづらびっと
「NPO法人自殺対策支援センターライフリンク」が行う「生きることの包括的な支援」。つらい気持ちを安心して話すことができるSNS相談窓口です。
◆Webサイト
▽死にトリ
同じような悩みを持つ人たちが出会い、支え合えるネットの居場所ポータルサイト。「つらい」を分析できる「つらチェック」もあります。
▽生きづLABO(ラボ)
「なんとなく生きづらい」「理不尽な現実がつらい」など、すべての生きづらい人たちのためのお役立ち・学び・社会参加サイト。
問い合わせ:健康長寿課
(【電話】62-1192)
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