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もしかしたら虐待かも?~ためらわず、まずは相談してください(1)~

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宮崎県えびの市

児童虐待に関する通報や相談件数は年々増加しています。また、ニュースでも取り上げられるように、子どもの命が奪われる重大な事件も後を絶ちません。
児童虐待は社会全体で解決すべき重要な課題であり、そのためには、皆さんの理解を深めていくことがとても大切です。
国は、11月を「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」の期間と定め、全国各地で児童虐待防止のための広報啓発活動が行われています。

■児童虐待の現状
児童相談所における児童虐待相談対応件数の推移をみると、令和4年度に入り、全国では21万9170件、宮崎県では2019件と初めて2千件を超え、ここ数年の中でも非常に多い状況です。えびの市でも31件の虐待相談対応を行っています。
相談対応が増加している理由としては、児童虐待死亡事件の全国的な報道等による関心の高まりや、児童相談所への無料直通ダイヤル「189」(いちはやく)などの相談窓口・方法の周知が進んだこと、警察や学校などの関係機関等による通告の徹底が図られたことが考えられます。
主な相談内容としては、「暴言が聞こえる」、「大きな物音がする」などの通告が多いですが、近年では、「面前DV」の通告が寄せられるようになっています。「面前DV」とは、いわゆる子どもの前での夫婦喧嘩や暴力、暴言を行うことです。これは、子どもへの心理的虐待にあたり、えびの市も同様の傾向があります。

▽児童虐待相談対応件数(単位/件)

■児童虐待の内容と要因
児童虐待には、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待、心理的虐待に分けられます。

▽身体的虐待
子どもの身体に外傷が生じる、または生じるおそれのある暴行を加えること。
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、家の外に閉め出すなど

▽ネグレクト
子どもの心身の正常な発達を妨げるような減食、または長時間の放置など、保護者としての監護を著しく怠ること。
乳幼児を家に残して外出する、食事を与えない、ひどく不潔なままにする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない、他の人が子どもに暴力を振るうことを放置するなど

▽性的虐待
子どもにわいせつな行為をすること、またはさせること。
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にするなど

▽心理的虐待
子どもに対する暴言、または拒絶的な対応など、著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
言葉により脅かす、無視する、きょうだい間で差別的な扱いをする、子どもの目の前で家族に対して暴力・暴言を行う(DV)など

このような児童虐待が起こる背景は、多くの場合一つではありません。要因には大きく分けて、「保護者」、「子ども」、「養育環境」の3つの要因があるといわれており、それらが複雑に絡み合い、その結果として生じるのが児童虐待と考えられます。
*保護者の要因…妊娠・出産・育児を通して発生するもの、保護者自身の精神疾患などの心身の不健康や虐待された経験から発生するものなど
*子どもの要因…子どもの側に何らかの育てにくさがある場合など
*養育環境の要因…複雑で不安定な家庭環境や家族関係、夫婦関係、社会的孤立、経済的な不安など

■児童虐待のサインとは
児童虐待は家庭内で起きていることが多く、表に出ないこともあります。また、この中には、経済問題や家庭問題が解決せずに悩む親からのSOSサインもあります。皆さんの近くで、次のような状況が重なるときは、虐待の可能性が高くなります。

▼児童虐待の主なサイン
▽子どもについて
・いつも子どもの泣き叫ぶ声や保護者の怒鳴り声がする
・不自然な傷や打撲のあとがある
・衣類や体がいつも汚れている
・表情が乏しい、活気がない
・夜遅くまで一人で遊んでいるなど

▽保護者について
・地域などと交流が少なく孤立している
・小さい子どもを家においたまま外出している
・子どもの養育に関して拒否的、無関心である
・子どものけがについて不自然な説明をするなど

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