やまこ ごうさん
LOCOBOT株式会社 社長
『運動能力や年齢、障がい関係なくロボットで運動を楽しく』
運動機能が低下するロコモティブシンドローム(以下ロコモ)の予防をはじめ、病気や手術後の回復に役立つロボット「ロコボット」。宮崎大学発ベンチャー企業「LOCOBOT株式会社」で製品化され、法人や企業へのレンタルがスタートしています。その会社の代表が山子剛さんで、同大学の帖佐悦男医学部教授と一緒に開発を行いました。「いすから立ち上がる時のバランスでロコモ年齢が分かる仕組みを作りました。しかし、検証しはじめると、実年齢より高い数値が出ると不機嫌になる人もいて…。計測だけしてもロコモの解決は難しいのではと、バランスを取る動きとロボットを組み合わせてみたんです」と山子さん。そうして完成したロコボットは、重心の位置を測る板状のコントローラー(ボード)と球体ロボット、パソコンが基本セット。遊ぶ際は、ボードの上に立ち前後左右に重心を動かします。すると離れた位置にある球体ロボットが、体の重心移動に合わせて前後左右に動くのです。「重心移動する感覚はセグウェイに近いかもしれません。しかし、移動するのは球体ロボットなので、座った状態でもできて、痛みや不自由さも忘れて遊べるんです」。現在は認知度を上げながら、使い方や効果を研究中なのだそう。高齢者はもちろん、運動嫌いの子どもにも活用できると、広がる可能性に期待が高まっています。
・「車いすの子どもが夢中になって球体ロボットを動かしているのを見て、実用化したいと思いました。県外の企業やイベント会社も高い関心を寄せてくれています」と山子さん。
・研究室では、ロコボットを使ったエクササイズの効果を科学的に明らかにする研究に取り組んでいる。
◆プロフィール
新潟県出身。宮崎大学工学部機械知能工学プログラム准教授。平成19年3月に新潟大学にて博士号(工学)を取得後、新潟大学博士研究員、医療機器企業研究員、宮崎大学テニュアトラック助教、Radboud大学メディカルセンター客員研究員(ナイメーヘン、オランダ)を経て、平成29年10月から現職。令和2年LOCOBOT株式会社設立。
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