[特集]自治会×防災対策(1)

1／32

◆「変えていくべきところは変え、守るべきところは守る。それが大事だと思います。」
日頃から防災対策に熱心に取り組んでいる「清正区(細島)」。区の役員の皆さんに話を伺いました。

※清正区
前面に細島商業港や牧島山が、背後に米の山が控え、自然景観が豊か。平地が少ないため、海岸沿いから斜面地にかけて住宅地が広がる。区加入世帯は145世帯

◇10年間の区長経験で築いたもの、得たもの
・顧問
松葉　洋一(よういち)さん

「防災対策は前区長の吉野さんの時代から取り組んでいました。避難訓練は年2回行います。夜間の避難訓練を行うようになったのは私が区長になってからのことです。地震はいつ、どこで発生するか分かりません。区民からは『昼と夜では全然感覚が違う。』といった感想がありました。」
この春、10年間務められた区長を退任し、区顧問になられた松葉さん。東日本大震災後の平成25年4月に区長に就任されました。
「震災をひとつの契機として、区民の防災意識が高まったこともあり、区の最重要課題として取り組みました。最後の3年間はコロナ禍でしたが、逆に区民の皆さんと一緒にコツコツと防災対策に取り組むことができました。」と、にこやかに松葉さんは話されます。
「現役時代は仕事関係の人しか知りませんでした。区長を務めて細島の町内の方々を含め、いろんな人を知ることができました。これが今、私の宝になっています。」と話され、充実感が伝わってきました。

◇地域のためにできることを
・副区長
甲斐　希貴(まれき)さん

「区長から勧められて、防災士の資格を取得しました。責任感が芽生えたのは、それからです。」そう話される甲斐さんは、副区長、自主防災会副会長、班長と「一人三役」の大活躍です。
「かつては、夜間の避難訓練で高台に上がっても集合場所がなくて、近くの民家をお借りするしかありませんでした。これではいけないと、藪を伐開し、避難場所として防災広場を整備しました。」
土木の専門知識に加えて行動力あふれる甲斐さんを中心に防災広場が整備されていきました。
「地区防災計画を立てたいけど、どこから取り組めばよいか分からないと思っていた矢先に、(一社)みやざき公共・協働研究会から『モデル地区になりませんか。』とお声かけいただきました。」、こうして令和4年度の取組が始まりました。

◇新たな視点で備えにつながる発案
・自主防災会　副会長
朝倉　真弓(まゆみ)さん

地区防災計画策定の過程で昨年11月に開催した「親子防災遠足」は、朝倉さんがいなければ思いつかなかったと皆さんが口を揃えます。
「子どもたちは家から避難所までは知っています。学校帰りの訓練をしたことがないのではと考えたのがきっかけです。小学校をスタート地点に、避難所2か所まで歩いてみました。あえて、けもの道も通ったりしましたが、子どもの目線で危険箇所が分かったことが大きかったです。」、朝倉さんは快活に話されます。
「今回、自主防災会の副会長をお受けすることになりました。子育て中で大変ですが、パソコンの作業やLINEを活用した連絡調整など、私もお手伝いできればと思っています。」、早速、区役員でつくったグループLINEを見せていただきました。

◇先人の思いを引き継ぎ　若者の意見を大切に
・区長
黒木　英子(えいこ)さん

「細島では、清正区が一番世帯数の多い区です。今回、区長に抜擢されて、どうしようかというのが本音です。」、今年4月に区長に就任された黒木さんが謙遜されます。
「先人が築き上げてこられた部分をしっかりと若い人に引き継いでいきたいです。そのためにも若い人の意見を大事にしたいと考えています。今年4月の細島小学校の新1年生18人のうち8人が清正区の子どもです。将来、清正区に帰ってきてもらえるように、子どもたちを守っていきたいです。」、将来を見据えて話されます。
最後に、新区長として一番大事にしたいことをお尋ねしました。
「これからもしっかりと防災対策に取り組んでいきたいです。若い朝倉さんに自主防災会の副会長をお願いしたのは、女性の視点が大事だと思ったから。コロナ禍で生活の有り様も変わってきましたが、変えていくべきところは変える、守るべきところは守る、そのことを大事にしていきたいと思います。」、そう話される黒木区長を役員の皆さんが笑顔で見つめる姿が印象的でした。
今回は区の大切さがたくさん詰まったインタビューになりました。
区の一大イベント「清正公さん」を間近に控え、お忙しい中に協力いただいた清正区役員の皆さん、ありがとうございました。

●区に加入しましょう!
区では、様々な活動を通してお互いを助け合っています。本紙の申込フォームから加入できます。

問い合わせ：地域コミュニティ課市民協働係
【電話】66-1005