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(歴史探訪)農村振興の計画~市指定有形文化財「東郷村是」~

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宮崎県日向市

明治41年(1908年)、東郷村役場は村内の現状を調査した結果をもとに村是(そんぜ)を作成します。村是とは、明治20年代から昭和初期にかけて、地方産業の振興を図ることを目的に、全国の各郡、町、村で現状を調査して将来目標を定め、その目標達成に必要な施策をまとめたものです。日本で最初の「農村計画」とも呼ばれています。
もとは農商務省次官を務めた前田正名(まさな)らが、地方産業の振興などを目指し、各地域で「郡是」「町是」「村是」を編成する運動を提唱し、これに呼応して各地で郡是や町村是が作成されました。
内容は時代や地域により変わりますが、概ね「現況」、「参考」、「将来」の部から構成されています。この内の「将来」が「是」に相当し、目標と施策を掲げています。その策定のため、村の「現況」を把握するための統計調査があり、「参考」として村の産業の古事来歴、沿革調査を記述する体裁をとっています。
東郷村是は「現況調査の部」、「将来の部」から成ります。現況については、戸口・畜産員数・土地・貸借・生産・貯蓄等が数字で記されています。中には飲酒・喫煙者数、地区ごとの時計(置き時計、懐中時計等)の数等も記されています。
将来については、基本財産の養成、農会の活動(肥料の共同購入、農具の改良等)、貯蓄の増加、植林の推進、米の増産、二毛作の奨励、養蚕の増進、畜産の振興(優秀な雌牛の購入等)、時間厳守の励行を図ると記されています。これらの項目から農林畜産業を発展の軸に据えていたことがわかります。また、7年間の取組で4万4000円余の増収目標も掲げ、村の振興が図られていきました。

問い合わせ:教育総務課文化財係
【電話】66・1036

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