文字サイズ
自治体の皆さまへ

「共に働く」を当たり前に ~障がいのある人もない人も自分らしく働ける社会へ~

7/36

宮崎県都城市

生活のために仕事に就くこと。やりがいやつながりを求めて働くこと。そんな当然の自由が誰にとっても当たり前な社会になるために取り組む人たちがいます。そこにあるのは、認め合うこととほんの少しの思いやり。「障がい」という言葉で壁をつくらないでー
誰にだって得意不得意があるように、障がいがあることもそれと同じではないでしょうか。

■ご存知ですか 障害者雇用の現状
「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、従業員43・5人以上の規模の事業主は、雇用する労働者全体の数に「障害者雇用率」(民間企業は2・3パーセント)を掛けた数以上の障がい者を雇用する義務があります。厚生労働省の「障害者雇用状況」によると、民間企業で雇用される障がい者の数は令和4年度で19年連続過去最高を更新している一方で、法定雇用率未達成の企業の半数以上が、雇用数ゼロの実態も見られています。
このような中、今年1月には障害者法定雇用率が令和6年から2・5パーセント、令和8年から2・7パーセントと段階的に引き上げられることが決定していて、障害者雇用は今後ますます社会全体で取り組むべき課題となります。
一方で、都城管内の実雇用率は上昇傾向にあり、令和4年度は2・75パーセントで、県や国の実雇用率を上回っています。この背景には、今回紹介する障害者雇用に積極的な企業があることに加え、障がい者から相談を受け、企業を紹介するハローワークやサポートするみやこのじょう障害者就業・生活支援センターも大きな役割を果たしています。
この機会に障がい者と共に働く職場づくりについて考えてみませんか。

[障害者実雇用率の推移]

◆「働きたい」気持ちをつなぐ
みやこのじょう障害者就業・生活支援センターセンター長橋口敬司さん当センターには、さまざまな障がいのある人が「収入を得たい」「社会とつながりたい」思いで相談に来られます。このような思いにしっかりと応えるために、私たちは面談での※アセスメントを大事にしていて、就労後も安心して長く働くために何ができるかを本人と話し合い、切れ目のない支援を行うよう心掛けています。
また、障害者雇用率の引き上げに伴い、企業も障がいがある人を雇用する際や継続雇用するための配慮について考える機会が増えていて、当センターの相談件数は増加しています。
都城圏域は、就労支援関係機関が緊密に連携できている地域です。障がいがあることで就職の不安を抱えている人は、まずはご相談ください。
※相談者の生活や困りごとを把握・情報収集し分析すること

問合せ:【電話】22-9991

◆多様性を認め合う企業風土
持永木材株式会社 総務部課長 瀬之口秀幸さん
当社は、障がいがある人から「徒歩や自転車で通勤できる自宅近隣で働きたい」という声を聞き、地域に貢献したい思いで障害者雇用を進めてきました。現在では障がいのある9人の社員が勤務しています。
障がいの有無で業務を区別することはなく、面接や実習を踏まえて適正を判断しています。障がいのある社員の所属長は本人の特性や就労上留意すべきことを把握していますが、同僚へ周知するかは本人の意思を尊重しています。一方で、仕事の定着支援が必要な場合もあります。仕事や私生活の悩みを早期に解決できるよう、本人や当社の人事担当者のほかにグループホームや支援センターの担当者にも同席してもらい、月に一度面談を行っています。また、障がい者の就労をサポートする人を対象に工場見学も実施していて、業務内容の理解を深めてもらう機会を作っています。
どんな人にも得意不得意があるように、障がいがあることも個性の一つです。悩みを解決したり目標を達成したりしながら仕事を続けることは、本人の自信を養うことにつながります。長く働き続けられる支援体制を大切にしています。
当社では、全社員で「人として」あるべき姿を共に考え、あいさつや返事など社会人の基本となる行動を徹底しています。これらの継続的な取り組みが、多様性を尊重し、分け隔てなく人と接する企業風土の醸成に結びついているのだと思います。

○会社概要
事業内容:木材卸売、建材・住宅設備機器販売 など
従業員数:120人(令和5年10月現在)

◆仕事を通じて共に成長したい
株式会社ダンロップゴルフクラブ 業務部人事総務グループ主任 福重亮さん
現在、当社では身体障がいや精神障がいなどさまざまな障がいがある社員6人が製造部門で働いています。
これまで、ハローワークが主催する「障がい者ふれあい面接会」で就職相談を受けたり、職場見学を受け入れたりしながら障害者雇用を進めてきました。その積み重ねにより、障害者就業・生活支援センターやハローワークなど関係機関の担当者に当社の業務内容を把握してもらうことができ、相談者の適性を見てつないでもらえる横の連携が生まれてきたと感じています。
障がい者であっても苦手な部分を取り除いてしまえば健常者と一緒で、本人の特性と業務内容が合致すれば会社にとって大きな戦力となります。とはいえ特性のある社員たちなので、行き詰まった時には一緒に解決策を考えたり、励ましたりしています。大変なことのように聞こえるかもしれませんが、その都度必要な対応をしているだけで特別扱いをしているとは思っていません。周囲のアドバイスや協力をもらいながら、1人の社会人として成長していくという点では、みんな一緒です。

○生産部製造課 平原 翔さん
発達障がいがある平原さんは、「悩んだ時は会社や同僚に相談しています。健康で長く働き続けたい」と笑顔を見せます。

○会社概要
事業内容:ゴルフクラブ製造
従業員数:246人(令和5年10月現在)

問い合わせ:秘書広報課
【電話】23‒3174

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU