■「薩藩名勝志(さっぱんめいしょうし)」編さんと都城
都城島津家には、鹿児島藩の記録奉行一行が調査に訪れた際の対応を記した「庄内旧伝編集方」作成の冊子が残っています。本史料に記されているのは、(1)寛政13(1801)年2月23~29日、(2)文化2(1805)年2月21~22日、(3)文化3年10月12~15日の3回の訪問の記録です。
(1)の際に藩から訪問した一行は、御記録奉行本田親孚(ちかさね)をはじめ3人でした。本田は、藩の命令で諸国の名勝や社寺の由緒、絵図を作成した人物です。また、(2)の際は御記録奉行平田貞太郎ら3人、(3)の際は鹿府御記録奉行の平山武毅、書役久米村庄左衛門の2人が訪問しました。
中でも、(3)の際に日向国の名所旧跡調査のため訪問した平山は、本田の後を継いで藩の地誌「薩藩名勝志」を編さんした人物です。このことから本史料は、「薩藩名勝志」編さん事業の調査記録で、藩の記録奉行一行によるその編さんの状況を具体的に知ることができる貴重な史料といえます。
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
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