■「小雨に煙るルヒテンスタイン」
山田 新一作(制作年不明)
山田新一(1899~1991年)は本市を代表する洋画家です。旧制都城中学校を卒業後、東京の川端画学校を経て東京美術学校洋画科へ進学した山田は、1928年にパリでフランスの画家アマン・ジャンに師事。人物画に優れる一方で欧州やアジア、国内を旅しながら数々の風景画も描きました。
キャンバス上で絵の具を混ぜるような、軽快な筆遣いで描かれた本作。画面を斜めに覆う濃緑の山の向こうに、幻想的な薄紫色の山並みと、黄土色の建物が描かれています。空の色に同化していくように、遠方に向かって薄くなる山の色は、遠近感を表すとともに雨の日に立ち込めるしっとりと柔らかな空気まで演出しています。
※本作は、6月25日(日)まで開催の「光と大気ー絵画を彩るかすかな力」で展示中
問い合わせ:市立美術館
【電話】25-1447
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