山口県は瀬戸内海沿岸にコンビナートが形成されている、全国有数の工業県です。
基幹産業である製造業が本県の経済成長をリードしていますが、一方で世界的な潮流として、脱炭素化が求められています。
県でも本県経済の持続的な成長につなげるため、産業界や大学、金融機関などの産学公金連携のもと、産業分野での脱炭素化を進めています。
■温室効果ガスの部門別排出量の状況
山口県
全国
◆山口県の特徴
複数のコンビナートが形成され、製造業中心の産業構造であるため、温室効果ガス排出量に占める産業部門と工業プロセス部門の割合が全国の2倍、約7割を占めています。一方で、コンビナートは、カーボンニュートラルを推進する拠点となり得るポテンシャル(潜在力)を併せ持っています。
▽コンビナートの持つポテンシャル!
(1)製品の原料となり得るCO2の排出
(2)水素・アンモニアの製造やハンドリング技術の保有
(3)CO2の固定化・吸収源となり得るセメント工場
(4)既存インフラを活用したカーボンリサイクル燃料の精製・供給
県では、山口県産業戦略本部、山口県コンビナート連携会議などを通して産業分野における脱炭素化の推進に向けた取り組みを強力に進めています。
■産業分野における事業者の脱炭素化の取り組みを促進するため、「やまぐち産業脱炭素化戦略」を策定しました
◆2050年に向けての基本目標
2050年カーボンニュートラルを原動力とした本県産業の成長・発展
~脱炭素という変革を乗り越え、産業の未来をリードする山口県を創造!~
▽5つの視点
基本目標の達成に向けて、5つの視点から取り組みます。
・エネルギー需給構造の変革
・イノベーションの加速・成長産業の創出
・攻めの業態転換・新事業展開
・産学公金の緊密な連携
・国の施策などの積極的な取り込み
■5つの先行プロジェクト
本県の産業特性を踏まえて、優先的に取り組むべき課題に対応するためのプロジェクトを立ち上げ、施策を推進します
1 脱炭素社会の産業拠点となるカーボンニュートラルコンビナートの実現
例えば カーボンニュートラルコンビナート構築事業
コンビナートのCO2排出削減や次世代燃料(水素やアンモニアなど)・素材の供給基地化につながるコンビナート連携事業の実施を支援し、脱炭素社会の産業拠点となる「カーボンニュートラルコンビナート」への転換を促進します。
2 電動化などに対応した自動車関連産業の持続的な発展
例えば 自動車産業電動化イノベーション等創出支援事業
カーボンニュートラルの実現に向けた生産車両の電動化シフトなどに対応するため、研究開発・事業化への支援などを実施し、県内企業の自動車産業への新規参入や新技術・新製品の創出などを図ります。
3 クリーンエネルギー供給拡大に資する環境・エネルギー関連産業の振興
例えば 「水素先進県」実現加速化事業
「水素先進県」実現の加速化に向けて、燃料電池自動車などの導入促進など水素需要の拡大を図るとともに、県内中小企業などの水素関連産業への参入を支援します。
4 脱炭素社会においても「選ばれる企業」への成長促進・関連産業の集積
例えば やまぐち中小企業脱炭素化促進支援事業
カーボンニュートラルを契機とした県内中小企業の持続的経営への転換と成長・発展を実現するため、県内中小企業に対し、脱炭素経営に向けた意識づけとともに、その取り組みを後押しします。
5 脱炭素化に貢献する農林水産業の推進
例えば エリートツリーコンテナ苗安定供給体制整備事業
森林資源の持続的な循環利用に向けて再造林率を向上させるため、造林コストの低減と作業の省力化・効率化を実現できる「エリートツリーコンテナ苗」の新たな生産技術と安定供給体制の確立・定着を図ります。
お問い合わせ先:県産業脱炭素化推進室
【電話】083-933-2474
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