■プラスチック問題と脱炭素
プラスチック製品は1960年代に入ってから急激に日本に普及し、今や私たちの産業や生活の中に無くてはならないものとなっています。
一方でプラスチックは安価で便利に使えるため、大量に生産されてきた結果、大量に廃棄され、さまざまな環境問題を引き起こすようになりました。ニュースで、レジ袋やビニールごみを飲み込んで命を落とす動物の話題を耳にした人も多いのではないでしょうか。
また微粒子になったプラスチック(マイクロプラスチック)が海洋中を漂い、海洋生物などを経て最終的に人体に取り込まれていることが確認されています。人体への影響については研究途中ですが、長期的な摂取による健康被害が懸念されています。
さらに、このような直接的な影響に加え、地球温暖化に関わる問題も抱えています。プラスチック製品は石油から作られますが、製造過程はもちろん廃棄後の処理過程でも二酸化炭素を大量に発生させるのです。
日本の1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量は、アメリカに次いで多い状況です。日本は長年プラスチックのリサイクルに取り組んできましたが、脱炭素を目指す上でも、プラスチックの製造と利用自体を減らしていく「脱プラスチック」が、世界的にも重要な課題となっています。
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