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なるほど健康教室[202]

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山口県岩国市

●手根管(しゅこんかん)症候群
手根管症候群は、手首近くにある骨と靱帯で囲まれた手根管というトンネルで神経が圧迫されて発生する疾患です。手根管の中には正中(せいちゅう)神経と指を動かす腱が9本通っていて、トンネル部で正中神経が圧迫されると、親指から薬指の母指(ぼし)(親指)側にしびれや痛みが出現します。小指にはしびれは出ません。初めは人差し指、中指に症状を感じることが多いです。しびれや痛みは明け方に強く、症状が悪化すると痛みで目を覚ますことがあります。手を振って、指を曲げ伸ばしすると症状は和らぎます。悪化すると親指の付け根の力が入りにくくなり、筋肉(母指球)がやせてきます。細かい物や紙をつかむのが難しくなります。
原因は不明ですが、男性より女性の患者さんが4〜5倍多く、妊娠・出産期や更年期の女性に多いのが特徴です。骨折の後、糖尿病やリウマチなどの病気がある人、仕事で手をよく使う人にも生じやすいです。手根管内の腫瘤(しゅりゅう)が原因になっていることもあります。
診断は、知覚障害の範囲、筋萎縮(きんいしゅく)の有無、しびれなどの症状を再現させる誘発テストで行います。誘発テストにはティネル徴候(正中神経が通る手首を指先で叩くと痛みやしびれが指先に響く)、ファレンテスト(手首を手のひら側に直角に曲げていると痛みやしびれが強くなる)があります。確定診断には、神経伝導検査、超音波検査、MRI検査も使います。
治療は消炎鎮痛剤やビタミンB12などの薬を使ったり、サポーターで手首を固定したりします。難治性で症状が強い時には手根管の靱帯を切開し神経を開放する手術を行います。症状によっては皮膚をあまり切らない内視鏡手術が行われることもあります。
〔岩国市医師会〕

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