元・阿武町教育委員長で、平成18年から現在に至るまで、阿武町文化財審議会委員(現・副会長)を務められている西村信教(にしむらのぶのり)さん(市・74)が、「文化財保護功労者」として山口県文化功労賞を受賞されました。
法積寺の住職である西村さんは、郷土文化に関する有識者として、阿武町の文化財の保護に、長年にわたって携わっています。
なお、山口県文化功労賞は平成8年から個人・団体を対象に毎年、表彰が行われていますが、阿武町における受賞者は、この度の西村さんが初めてです。
地域に残っている「形の見えない文化」を、いかに保存するかが、今からの大きな問題です。
舞などの「無形文化財」と呼ばれる伝統芸能を、生身の人間が伝えていくことが、だんだん過疎化で難しくなっています。
知識や技、あるいは心。形あるものや文献として残っているものなら、紐解けば、ある程度のことがわかりますが、手取り足取り覚えるもの、人と人が関わって初めて伝えられるものを、地域のコミュニティが縮小している今、いかに保存していくか。
高齢の方が知識を持ったまま亡くなってしまうと、そこで完全に途絶えてしまいます。
普段の会話の中でポロッと思い出すような「口伝」が歴史の裏付けになることもあるんです。
だからこそ、昔からいる方たちと、新しい若い方たちがコミュニケーションを深めることで文化を守ることにつながりますし、私自身、先代にもっと聞いておけば良かったと思っています。
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