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令和6年度施政方針

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山口県阿武町

■第7次総合計画の成果
阿武町では、第7次総合計画「選ばれる町をつくる」に基づき、さまざまな施策を展開しながら、まちづくりに取り組んでいます。

喫緊の課題である出生数においては、平成28年度から令和3年度までの6年間、出生者数は1桁台が続きましたが、令和4年度は7年ぶりに12人と、2桁台に回復。5年度も17人の出生と、回復基調です。

転入者数と転出者数の差「社会増減」も、令和4年度はプラス17人の転入超過となり、昭和30年の阿武町発足以来、最大の数値で、令和5年度実績でも、2桁の超過が見込まれます。

他市町に先駆けて進めてきた0歳から高校生までの「医療費の無償化」、0歳児からの「保育料完全無償化」、「保・小・中給食費の無償化」による「子育て支援3点セット」をはじめ、各種の子育て支援、定住対策、高齢者福祉対策など、取り組んできた独自施策が一定程度、実を結んできたのだと考えています。

また、平成30年度から販売している「柳橋分譲宅地」の29区画も、子育て世帯をはじめ、Uターン・Iターン世帯に好評をいただき、すでに26区画が売れ、残り3区画となり、高齢者の通院・買い物を支援する「デマンド型交通」も、町内全域で有志のみなさんによる自主的な運行が展開されています。

「道の駅阿武町」も昨年4月に登録30周年を迎え、8月の記念式典にあわせて記念碑を建立し、改めて「全国道の駅発祥の地」であることを全国に、高らかに宣言しました。山陰道の開通後も「わざわざ立ち寄る魅力的な施設」となるよう、施設の整備・改修を行い、新たな目的地となる施設として「ABUキャンプフィールド」の整備などを行ってきた結果、キャンプ場利用者が、計画目標の「年間1万人」に対し、1万2千人超、率にして120%を達成。道の駅の売り上げを含めた町全体への波及効果は、1億円以上のものがあったと試算しており、今後とも「道の駅阿武町」を核としたまちづくりに期待をかけています。

現在、国交省により「山陰道木与防災事業」が順調に進められていますが、この工事の残土を活用して経費の節減を図るとともに、将来的な山陰道の開通を視野に入れた企業誘致を推進し、町の雇用の場を確保するための先行投資として、山陰道に隣接する木与・遠根に、町営の工業団地となる「ABUファクトリーパーク」の整備にも着手しています。
数年前からブランディングに取り組んできた「無角和種」は、NHKの番組「うまいッ!」で紹介され、全国的にも希少性とジューシーな赤身肉の美味しさが大きく認知され、将来にわたる展望が開けてきました。

■地域医療など新たな課題も
ここにきて、本町にとって地域医療の確保という大きな問題が発生してきました。移住・定住条件で大きな要因のひとつが医療の確保であり、高齢者が転出する原因としても医療への不安があり、しっかりとした地域医療体制の構築が人口定住のポイントとなります。

こうした中、現在、町内の医院は民間の1院と福賀診療所しかありませんが、民間医院については、医師が高齢となられて、「そう長くは継続が難しい」との申し出を受けています。
今後の本町の医療体制を確保するため、令和8年度中の新たな公設公営の多機能な診療施設の開業をめざし、「(仮称)あぶ診療所等複合施設」の整備に着手します。
なお、医師の確保については、すでに、山口県の担当課や山口大学医学部附属病院の関係者と協議を始めており、継続性の担保の観点から、特定の医師を招致するのではなく、山口大学医学部附属病院などから、専門の若い先生方を、診療科目ごとに、曜日を決めて診察に来ていただき、必要に応じて山大附属病院などにつないでいただけるような医療体制を構築する中で、地方ではあっても最先端医療が受けられるような仕組みができたらと思っています。

福賀診療所については、医師がこの3月末をもって定年退職となったことから、地域からの要望や実情、医師の意向も受け、5年後の閉所を目途に、診療日数を減らしながら、当面、診療を続けます。

こうした中で、令和6年度は町政施行70周年を迎える節目の年にあたり、また、「第7次阿武町総合計画」の前期が終了する年となると同時に、後期の総合計画の策定年でもあります。
また、「第2次阿武町版総合戦略」の最終年でもあり、これまでに実施して来た各プロジェクトを検証して、横断的な指標である「就業」、「関係人口」、「活動人口」の達成に向け、どのような種をまくか、検討する年です。

これからも「打てば響く、町民一人ひとりに寄り添うまちづくり」を合い言葉に、もっとチェンジ・もっとチャレンジの精神をもって、より住みやすく、より豊かに、より安全に暮らせるまちづくりの実現に全力を尽くす所存ですので、どうぞ、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

阿武町長 花田憲彦

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