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山形県のシンボルを次世代へ~県民の宝である「樹氷」の復活に向けて~

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山形県 クリエイティブ・コモンズ

県では、今年3月「樹氷復活県民会議」を設立し、樹氷を形成するオオシラビソ(別名:アオモリトドマツ)林の再生の支援に取り組んでいます。

■被害地の状況
蔵王連峰の1,300メートルから1,700メートルの亜高山帯に多く自生する針葉樹であり、樹氷を形づくるオオシラビソ。そのオオシラビソが、虫による食害などにより、広範囲で枯死しました。林野庁の調査によると、山形県側では約2万3千本(全本数の約2割弱)のオオシラビソが枯れており、樹氷の存続が危ぶまれています。特に被害の甚大な山頂付近では枯死木が広がり、このままでは自然による再生は難しい状況です。

■樹氷の景観を次世代へつなぐ取組み
蔵王のオオシラビソ林は国定公園内にあることから、周囲の自然環境を守りながら再生することが必要です。
「樹氷復活県民会議」では、林野庁山形森林管理署と連携し、自然環境に配慮しながら苗木の育成や稚樹を現地に移植し育成していく活動を行っています。

▼苗木の育成
蔵王のオオシラビソは、自生樹であり流通している苗木がないため、種から苗木を育てています。県では、ほ場(標高約1,400メートル)を整備し、今年6月に種をまきました。種は無事に発芽し、青々とした葉を広げて育っています。

▼稚樹の移植
地元の山形市立蔵王第三小学校や同第二中学校の子どもたちと、オオシラビソ林の再生を課題研究する県立村山産業高校の生徒による移植活動を行いました。蔵王ロープウェイ樹氷高原駅付近に自生する高さ20センチほどの稚樹を掘り起こし、地蔵山頂駅付近(標高約1,600メートル)に、再生への願いを込めて植えつけました。山頂の強風や冬の厳しい環境の中、樹氷がつくられる大きさになるまでには約70年かかるといわれています。

○移植活動に参加して
山形市立蔵王第二中学校 2年 伊東 楓さん
私は小学生のころから「樹氷学習」に取り組んできました。そのため、毎年、山頂の様子を見る機会がありますが、オオシラビソが枯れている姿には衝撃を受けます。今回の活動は、蔵王の樹氷を少しでも早く、たくさんの方々に見てほしいという思いで行いました。蔵王のシンボルである樹氷のために、今後も稚樹を守って育てる活動を継続していかなければならないと思います。またあの大きな樹氷が見られるように、復活を願っています。

■「樹氷復活・育成応援基金」の創設
県では、皆さまからの寄付を基金に積み立て、樹氷を次世代につなぐための取組みに活用していきます。

問い合わせ:みどり自然課
【電話】023-630-2207

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