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自治体の皆さまへ

特集 静かに進行するサイレントキラー 糖尿病を、侮(あなど)ってはいけない(2)

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山形県朝日町

■合併症の恐ろしさ
糖尿病は、自覚症状がほとんどないまま体をむしばんでいく病気です。軽症のうちに治療や重症化予防をせずにいると合併症を引き起こします。下記の病気は重症化によって引き起こす合併症の代表的なものです。

◆網膜症
失明となる主な原因の1つ。ブドウ糖を細胞がうまく吸収できなくなることで、目の奥にある網膜の血管がもろくなって視力の低下などにつながる病気です。視界がかすんだり、視力が著しく低下するなどの症状があらわれます。
症状が中期に進行すると、血管の出血などを治療することはできますが、視力は戻りません。

◆神経障害
血管がダメージを受けて働きが悪くなることで、神経細胞の栄養が不足し、自律神経・感覚神経に障害が起こる病気です。立ちくらみや下痢・便秘が続くなどの症状があらわれます。
足の感覚が鈍くなると、傷に気づくのが遅れ、切断に至る場合があります。

◆腎症
腎機能が低下し、老廃物などが体内にたまってしまう病気です。長い間治療せずにいると、完全に機能しなくなり、人工透析が必要に。
透析に必要な時間は週に3回、約半日。治ることはなく、一生続けることになります。

◆合併症はほかにも…
・心筋梗塞
・脳梗塞
・動脈硬化
・歯周病 など
感染症にもかかりやすくなっちゃう…

○ちょっと寄り道「豆知識」
合併症の代表格である神経障害の「し」、眼の網膜症の「め」、腎症の「じ」、の頭文字をとって糖尿病合併症の「しめじ」と呼ばれています。発症の順番も『し→め→じ』の順が多いといわれています。
ほかにも壊疽(えそ)や壊死(えし)の「え」、脳梗塞の「の」、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)の「き」で、「えのき」と呼ばれる合併症もあります。
本物の「しめじ」と「えのき」は食物繊維が多く低糖質で予防に効果的ですので、安心してお召し上がりください。

■疑問・不安の声に、お答えします
Q.何を、どのくらい食べたら良いの?
A.個人によって異なりますが、目安の量は下記のとおりです。
・主食のごはん
1食あたり茶碗1杯(約150g)
・主菜の肉や魚
1食あたり手の平1/2くらい
・副菜の野菜
生もの→両手に1杯
加熱したもの→片手に1杯

Q.運動が続かない、時間がない…
A.短時間でできる軽い運動から、少しずつ始めてみることがおすすめです。自分のライフスタイルや体調にあったタイミングで行うことが継続のポイントです。

Q.大皿から取り分けるため食べすぎてしまう…
A.同じメニューでも、取り分けるスタイルと個々に盛り付けるスタイルでは摂取量が異なります。揚げ物やボリュームのあるものは、仕切り皿などを活用しながら量を決めて摂取するようにしましょう。

Q.お酒の適量はどれくらい?
A.アルコール依存症のリスクが低い「危険の少ない飲酒量」は、1日2ドリンク(20グラム)以下。目安は下記のとおりです。
・ビール中瓶1本
・日本酒1合
・酎ハイ(7%)350ml
・ワイングラス2杯(約250ml)

■糖尿病にならないために
糖尿病は生活習慣を見直すことで防ぐことができます。
ポイントは「食事管理」「運動習慣」「体重管理」の3つ。何事も継続することが大切です。

◆運動習慣
活発に体を動かすことで筋肉の活動量が増え、インスリンの働きを改善することがあります。できる限り全身の筋肉を使った有酸素運動をしましょう。

○ポイント
・1回の運動につき20分以上
・少なくとも週3日行う
・隙間時間を使う

○こんな運動がおすすめ
ストレッチ、ウォーキング、水泳、サイクリング など

動作量の多い作業や家事も運動になるよ。
日常生活であまり動かない人も体を動かしてみよう!

◆食事管理
運動などで消費するカロリーに合わせてバランスよくカロリーを摂取しましょう。また、規則正しく食べることで体内時計が整い、食べすぎ防止につながります。

○ポイント
・1日3回、決まった時間に食べる
・早食いせずにしっかり噛んでゆっくり食べる(1食15~20分を目安に)
・甘いものをとりすぎず、栄養バランスのとれた食事を心がける
・野菜などの副菜から食べる

◆体重管理
○計算してみよう
適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
BMI=体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕[標準値:18.50〜24.99以下]

体の変化にすぐ気づけるようにすることが大切です。
定期的に体重を測り、適正体重の維持に心がけましょう。

■町立病院院長よりアドバイスをいただきました
糖尿病は生活習慣病の中でも、初期症状がわかりづらく早期発見が難しい病気です。近年は自動車や電車での移動が多く、体を動かす機会が減ってしまい運動不足になりがちに。そのため、高血糖となる方が増加傾向にあります。
糖尿病の予防には、バランスの良い食事と適度な運動が基本です。甘いものを食べすぎると、血糖値の上昇を抑えるインスリンをつくる細胞が疲弊して、ますますインスリンが少なくなってしまいます。甘いものをなるべく控え、必要以上に食べないことが大切です。また、運動することは血糖値の低下につながり、インスリンの節約につながります。
予防する上で一番大切なのは、継続すること。無理をすると続きませんので、70点ぐらいを目標に予防していきましょう。

■健康のため、ぜひご参加ください
○ノルディックウォーキング
2本のポールを使って歩きます。膝、腰の負担が軽く、全身運動になります。
11月16日(木)開催

○ウォーキング教室〔(株)ミズノ提携事業〕
歩行測定と体組成測定ができるほか、ウォーキングのポイントについて学ぶことができます。
6月~10月 計5回開催
講師はメディアでも活躍中の黒田恵美子さん

○室内運動
ボールなどを使い、自宅でもできる運動方法を学びます。
令和6年1月~3月 計3回開催

○楽しく健活セミナー
健康寿命を延ばすためのコツを、食生活と運動の観点から学びます。
12月6日(水)開催

○あさひまち 健康マイレージ
健診や日ごろの血圧測定、ウォーキングなどでポイントを集めましょう。

詳しくはこちらから(本紙9ページ参照)
担当:健康福祉課 保健医療係
【電話】67-2116

■みんなで歩こう
ウォーキングアプリを使ったイベントも開催中。それぞれ下記の二次元コードからお申し込みできます。
※二次元コードは本紙9ページをご覧ください。

○朝日町『Fun Walking Asahi 2023 Summer』
対象者:町内在住・在勤で18歳以上の方

○山形県『ウォーキングWEB大会』
対象者:県内在住の方

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