あけましておめでとうございます。今年も市政に対し、みなさんのご支援、ご協力をお願いします。
今回は、新年特別企画として、新春鼎(てい)談をお送りいたします。
鼎談テーマである、『まだ、知らないだけ。』とは、市の魅力を示し、市に関わる人々が目指す未来のビジョンとして、上野原市が昨年策定した、市のブランドメッセージです。このブランドメッセージを掲げて市が実施する“「まだ、知らないだけ。」プロジェクト”と題した地域活性化の取り組み募集に対し、応募くださった団体の代表者である、長岡夏未(ながおかなつみ)さんと井上真吾(いのうえしんご)さんのお2人をゲストに迎え、今後の上野原市の展望について語り合いました。その内容の一部を抜粋してご紹介します。
・上野原市長…村上信行
1949年生まれの74歳。駒沢大学仏教学部を卒業後、上野原市八米地区にある龍泉寺の住職などを務めながら市議会議員を経て、令和3年3月に第5代上野原市長へ就任。
・上野原せいだプラント…長岡夏未さん
1983年生まれ、上野原市出身。都内の外資系出版社で働きながら、父親が代表を務めるせいだ芋の農業生産グループである「上野原せいだプラント」の一員として、精力的にせいだ芋の広報活動や活動支援をしている。
・「logue/ローグ」…井上真吾さん
1983年生まれ、神奈川県相模原市出身。相模原市内の社会福祉法人で働く傍ら、上野原市内で生活介護事業所兼カフェ「logue/ローグ」を開設し、障害のある人、ない人関係なく、誰もが楽しくて、居心地のいい場所を目指して活動している。
■それぞれの歩み
村上市長…お2人のこれまでの歩みと、現在の活動内容をお聞かせください。
長岡さん…上野原市生まれです。現在は、外資系の出版社で働いています。実家は、新井地区で「近江屋ながおか」という、お酒を中心とした小売と卸業を営んでいます。プライベートでは、父が代表を務める、せいだ芋の農業生産グループ「上野原せいだプラント」の一員として、せいだ芋の栽培促進と伝承活動を行っています。その中でも私は、せいだ芋の広報活動と、活動支援が主な役割です。
井上さん…生まれは神奈川県相模原市藤野地区ですが、祖父母が上野原市に住んでいたので、上野原市は、特別で身近な場所だったというのが私のルーツとしてあります。令和4年に、地元のみなさんと一緒に、元々、アポロ衣料店だった建物をリノベーションして生活介護事業所兼カフェである、「ローグ」という施設を作りました。なぜそのような施設を作ろうと思ったかというと、私には2歳下の弟がいて、自閉症という障害があります。彼との生活の中で、「普通って何だろう」ということをすごく考えていた背景があって、障害があろうとなかろうと、同じまちの中で、誰もが生活しやすい、そんな場所を作りたいなと思ったのが、「ローグ」を始めるきっかけになりました。
村上市長…お2人のとても熱い思いが今日に繋がっているんですね。
■「まだ、知らないだけ。」について
村上市長…上野原市には魅力がたくさんあるのに、その魅力が十分に認知されていないと感じています。そんな中で、上野原市の魅力をさらに発信していこうと、「まだ、知らないだけ。」というブランドメッセージを策定したのですが、このブランドメッセージに対するお2人の印象や感想をお聞かせいただけますか。
長岡さん…私は、今の上野原市を素直に表現しているメッセージだなと思いました。なぜかというと、私自身もこの数年、ふるさとに向き合う機会をいただいて、今まで知らなかった価値や未来への可能性に魅了された1人でもあるからです。特に、せいだ芋の歴史や文化は、唯一無二の非常に貴重で、世界にも誇れるキラキラしたものに私には映りました。そして、関わる人々もみなさん温かくて、ふるさとへの愛情と未来への希望に溢れているなと思いました。何よりも、上野原市の「行政と地域が一緒になって、みんなで賑わいを作っていきましょう」というオープンで一緒に楽しむ姿勢もとても素敵だなと思っています。
井上さん…私は、率直に言ってこのメッセージが大好きです。一般的に「メッセージ」は、発信者から受信者に向けて何かを伝えることを指しますが、この、「まだ、知らないだけ。」を聞いたとき、発信者も受信者も共有できる考え方だなと思いました。上野原市に住んでいる人の、まだ知らないだけと、上野原市にやってくる人の、まだ知らないだけを持ち寄ることで対話が生まれて、新しい価値が生まれるような気がしたんです。「ローグ」も、実は同じ考え方で、障害のある人、ない人とか、こちらとあちらみたいな、境界線を無くしたくて作ったので、このブランドメッセージを聞いた瞬間にすごくワクワクしたことを覚えてます。
村上市長…このブランドメッセージを作るとき、たくさんの人たちがいろんな案を出してくれました。そうしてみんなで決めたのがこのブランドメッセージです。このメッセージを私が聞いたとき、これから多くの人たちに知らないことを知らせるのが、行政としての私たちの仕事かなと感じました。
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