■おしのと富士池【江戸時代?】
・歌碑に伝わる親孝行物語
八幡神社(大鳥居)を上ったところに、「おしの」という女の子が住んでいました。お父さんが病気で寝たきりだったため、朝から晩まで働いていました。
ある夏の日、いつものように水汲みにいくと、そこには、この村では絶対見ることのできない富士山が映っていました。この池に富士山が映ったら願いが叶うといわれたのを思い出したおしのは、急いで家に帰ると、なんとお父さんが笑顔で立っているではありませんか。二人は泣いて喜び、末永く幸せに暮らしたそうです。
物語の舞台となった場所には、「富士の山お姿うつる鏡池今も誠に見る人ぞ見ゆ弘化3年(1846年)」と刻まれた歌碑が今も残っています。誠実にしていれば、見えるはずのない富士山が見え、そして、いいことがあるという昔の人の富士山への憧れと大切な教えが含まれています。
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