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自治体の皆さまへ

〔特集〕関東大震災から100年「減災」私から!

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山梨県北杜市

今年は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災から100年の節目に当たります。関東大震災100年を契機に「減災」について考え、災害に備えましょう。

◎特定非営利活動法人減災ネットやまなし
理事長 向山建生
元山梨大学客員教授で、北杜市、韮崎市を中心に減災力の強い地域・事業所づくり活動に取り組まれている向山建生さん。特定非営利活動法人減災ネットやまなしの取り組みや、今後私たちに求められることなどを伺いました。

■インタビュー
減災力の強い家庭づくり・地域づくり・職場づくりを目指す

◇近年の災害の傾向について
現在、赤道付近で地球温暖化による異常気象が起こっていることにより、大量の雲群や水蒸気が発生しています。その結果、気圧の変化により集中的豪雨や線状降水帯の発生、また、予想外の大雪や強風などに見舞われています。
また、日本は世界でも稀なプレート構造になっており、今一番危惧しなければならないのは南海トラフ地震です。もし南海トラフ地震が発生した際には、東日本大震災と同規模クラスで、九州から関東までの沿岸部に津波が襲来すると予想されています。また、同時に糸魚川静岡構造線断層がずれることにより、山梨県で大きな地震が発生する可能性もあります。日本は4つの大きなプレートの上に形成していることから、地震は避けられない状況にあります。
台風災害と地震災害の大きな違いは、地震は突然発生するため予測できない一方、台風や大雪などはあらかじめ早めに予想ができるということです。それらの特性を理解し、対応することが重要です。

◇今すぐできる家庭の減災について
家庭でできる減災は「自分の命と財産は自分で守る」が大前提になります。例えば大きな地震が発生した際、停電に備えて寝室や階段に非常灯を用意し、寝室にヘルメットや長靴を備えておくことで、スムーズに避難することができます。市が実施している木造住宅耐震改修事業などの活用や、家具や家電が倒れないように固定するなど、普段から備えておくことも重要です。

◇ハザードマップの確認の重要性について
土石流や洪水など災害別に作成されているハザードマップは、年々変化する気象条件によって改訂していることから、常に最新版を確認する必要があります。自分の住んでいる地域ではどのような災害が想定されるのかを理解するとともに、安全な避難場所の確認などを家族や地域内で普段から話し合っておくことが重要です。「災害時のトイレはどうする?」など身近なテーマをきっかけに、ハザードマップを活用しながら地域コミュニティや家族内で共通認識としておけば、いざ災害が発生した際に大いに役立ちます。

Q1 減災って何ですか?
減災とは、災害によって生じる被害を最小限に抑えるためにあらかじめ行う取り組みです。自然災害の発生を防ぐことは難しいため、災害は起きるという前提のもと被害をいかに軽減させるかを目的としています。
特に、自然災害の発生率が高い日本においては、減災の取り組みは欠かすことはできません。

Q2 防災と減災の違いって何ですか?
「災害が起きること、被災することを前提としているか」という点が防災と減災の違いです。
災害が起きる前提のもと、その被害を最小限に抑えることが減災の考え方である一方、防災は未然に防ぐ、被害をゼロにすることを目的としています。
川が氾濫しないように防波堤を整備することも防災の一例です。しかし、災害被害の予測には限界があり、被災をゼロにすることは難しいという考えの上に成り立つのが減災です。

Q3 減災って具体的に何をすればいい?
家庭でできる減災は、一般的に知られている「備蓄品の確保」、「家具の転倒防止」、「近隣の避難先の情報収集」、「ハザードマップの確認」などが挙げられます。
以前は、防災の考え方に沿って対策を行うことが主流でしたが、近年の災害の傾向から、被害をゼロにすることは難しいとされ、現在は減災の考え方が主流となっています。

Q4 「自助・共助・公助」の割合って?
災害による被害を最小限に抑えるためには、一人一人が自ら取り組む「自助」、地域で助け合って取り組む「共助」、行政が取り組む「公助」の3つの連携が必要です。
一般的に災害時の助けとなる割合は、自助が7割、共助が2割、公助が1割と言われています。
発災時には、市役所、警察、消防などの施設も一般と同様に被災することから、状況により公的な支援が大幅に遅れることが想定されます。
自らの生命を守るためには、「自助」の占める割合が大きいことを再確認するとともに、地区の自主防災組織へ積極的に参加しましょう。
※自主防災組織とは
災害対策基本法第5条2において規定されている地域住民による任意の防災組織です。現在、市内に91の自主防災組織があります。

■わたしたちが女性消防隊です!
◇こんなところで女性の力が発揮されます
・地域防災に関する広報啓発
・応急手当の知識習得と講習などの指導
・消火・防災訓練
・災害時後方支援

◇女性消防隊の隊員募集中!
郷土愛護の精神のもと、防災・応急手当の啓発活動など、女性ならではの視点を生かし、地域の防災活動に力を貸していただける隊員を募集しています。女性消防隊に関心のある方は消防防災課までお問い合わせください。

◎市ではX(旧Twitter)で気象や防災などに関する情報を配信しています。
たくさんのフォローをよろしくお願いします。
北杜市消防防災情報X(旧Twitter)※本紙P3参照

問合せ:消防防災課
【電話】42・1323【FAX】42・1122

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