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自治体の皆さまへ

山楠公園に新たな憩いの場が誕生

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岐阜県川辺町

町内小学生からの応募全92点の中から、愛称を決定しました。
愛称:クースの家

●魅力ある公園整備を
山楠公園は、野球場のほか芝生広場や遊具などがあり、自然豊かで誰もが楽しめる公園です。また、桃太郎伝説の残る鬼飛山の登山口があり、多くの登山者も訪れます。
公園のシンボルは中央にある大きなクスノキで、子どもたちが枝で遊んだり木陰で休憩したりする場所ですが、根が地表に露出していることや丘に傾斜があるといった懸念がありました。
そこで、クスノキの根を保護するとともに、多くの方が集まる場所として、クスノキの幹を中心に、芝生広場側には扇状のウッドデッキを、反対側には丘を利用した張り出しデッキを設置しました。また、芝生広場と階下の通路を結ぶ階段の代わりにアスレチックネットを設置したことで、遊具としても利用することができます。
建設にあたっては、岐阜県立森林文化アカデミーの田村聡さん(学生)がデザイン・設計に携わるなど、多くの地域の方の協力がありました。
わくわく感のある遊び場として、またSNSにも映える集いの場として、多くの方に親しまれることを願っています。

●木材の地産地消
このたび、「クースの家」に使用したのは町産ヒノキです。地元の木材の利用は、地域の林業の活性化や木材生産から加工、消費までを含んだ経済効果、そして生産地から消費地までの輸送エネルーが少ないことによる低炭素化といった多くの利点があります。
今回の事業にあたり、町では、令和2年度から山の所有者に対する意向調査を実施し、その意向を踏まえた計画を立て木材の搬出・活用を行いました。昨今、「木材の地産地消」という考えが注目されており、岐阜県でも「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例(令和5年4月1日施行)」が制定されました。
今後も、豊かな森林資源を育みながら無駄なく活用し、その受益を地域に還元していくことで「森林の育成と木材利用のサイクル」を持続的に実現するよう取り組む予定です。

問い合わせ:基盤整備課(担当 今井)
【電話】53-7214

◆interview(インタビュー)
岐阜県立森林文化アカデミー
森と木のクリエイター科
・田村 聡さん
「子どもも大人も楽しめる場所です!」
田村さんは、もともと林業に従事していましたが、川上(森林管理や伐採)から川下(木材の活用)までの流れで、どのように木材が流通・加工されるかを学ぶため、岐阜県立森林文化アカデミーに入学しました。
今回、事業の受注者である可茂森林組合から「アカデミーの学生に携わってもらうと一風変わった趣向のものとなり面白くなるだろう」との提案がありました。
アカデミーの先生から、田村さんが、この事業に向いているだろうと選んでいただいたことから、研究の一環として、「クースの家」のデザインや設計案の作成などを担当していただきました。

◇今回の事業では、どのようなイメージでデザイン・設計をされましたか?
町から「森の妖精がすむような場所を作りたい」という要望があったので、「森の妖精」や「メルヘンチック」をコンセプトにしました。外観はインパクトがありながらも、かわいらしく、山楠公園のシンボルであるクスノキや周りの自然とも調和されるようなものをイメージしました。初めは植木鉢のようなものをイメージしていましたが、窓などを加えていくうちに、顔のようにもなりました。

◇こだわった所はどこですか?
木造建築を学んでいることもあり、一番は木組みにこだわりました。柱や桁、梁がしっかりとして映えるような建物になり、日本の大工技術を感じることができると思います。次に、木造ではとても大変でしたが、メルヘンチックというコンセプトに合うよう、丸みがあり、すぼまったような外観を意識しました。

◇今回の事業を経験して感じたことはありますか?
設計にはかなり時間がかかりましたが、実際に実現できるか分かりませんでした。現場でないと分からないこともたくさんあり、大工さんをはじめ、実現してくれた多くの方に感謝しています。今回は、「川辺町産材の木」を使う事業で、間伐により切り出した木材だったため、丸太など材料のサイズが決まっており、その中で良い設計になるよう考えることも面白かったです。

◇今後どのような場所になると良いですか?
この建物では、上からでも下からでも入るとクスノキに出会い、森に入ったような感覚になります。建物の中には、アスレチックネットがあり遊び場にもなります。多くの人が集まり、楽しむような場所になってほしいです。

◇皆さんに伝えたいことはありますか?
まずは子どもたちに使ってほしいです。子どもの時の体験はとても大事になると思うので、良い素材のものに触れるなど、いろいろな体験を通して子どもたちにとって良いものになってほしいです。また、柱梁が見える建築物は少ないですが、そこに日本の建築の良さがあると思うので、木造の良さが伝わるとうれしいです。さらには、この事業のきっかけとなった「森林整備」や「クスノキを守る」という想いであったり、「公園の在り方」など住民の方が考えるきっかけになると良いと思います。

◇今回の事業で学べたことは何ですか?
人と人のつながりがすごく大切だと思いました。一人でできることは限られており、皆の力で完成することができました。これから、この建物が有効に活用されることで、人のつながりが広がっていくと嬉しいです。3月でアカデミーを卒業しますが、これからの仕事でも人とのつながりを大切にしていきたいです。

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