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自治体の皆さまへ

声をカタチに 声を未来に 藤井浩人市長コラム

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岐阜県美濃加茂市

■みんなで〝支〟えあう 幸せな生き方
5年前に亡くなった私の祖母は、脳出血と脳梗塞を発症したのちに、驚くべき回復力を見せましたが、言語の不自由さや物忘れの症状が垣間見えるようになりました。それでも、私にとって祖母とのひとときは楽しく、せわしい日常とは異なる特別な場所がそこにはありました。会話とは、単なる言葉の交換ではなく、相手に共感し、思いやりを交換しあう時間なのだと感じました。 
認知症という多くの人が初めて経験する状況と向き合うことは、本人も家族も一人ではとても心細く感じることでしょう。なにより、本人は認知症によって、日常の活動に自信を失い、孤立感や無力感を覚え、戸惑いや不安感を抱くことになり、また、その家族や周囲も本人の心の揺らぎにどう寄り添っていけばよいか戸惑うことになります。 
しかしながら、認知症と向き合い、共に生きる方法を見出すことや地域としての支援が充実することで、誰でも希望を見出す道を切り開くことができると考えます。 
認知症への対策に大切なのは、理解と共感です。 
大切な人との思い出や人生の軌跡が次第に薄れていく苦しさは計り知れません。そんなときに心の支えとなるのは、自分を受け入れてくれる家族や地域が存在することではないでしょうか。日頃から家族間での認知症に対する知識を得て、地域として認知症を抱える人たちとのコミュニケーションを大切にすることで、誰もが安心できる社会へと近づいていけると考えます。 
どのような状況に直面しても、一人一人が笑顔を取り戻せる姿こそ、未来への希望へとつながると信じています。

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