■事前の一手を〝打〟つ
〝台風一過〟とは、台風が過ぎ去った後に、澄み切った青空が広がることを言いますが、お盆期間中に上陸した台風7号は、そんなイメージを一変させました。台風の外側に発生する〝アウターバンド〟によって、隣の関市を中心に記録的な大雨が襲いました。あっという間に、時間当たり100ミリの雨。その突然の気象の変化に、恐怖を感じました。皆さんは、変化する環境や突然の災害に対応できる準備はできていますか。
9・28水害から今年で40年。木曽川の堤防整備や加茂川の排水機場の設置、新丸山ダム建設をはじめ、技術の進歩と先人のご努力により、治水事業は確実に強化されてきました。また、災害情報の精度が上がったことで、災害予測が以前よりも正確にできるようになりました。
しかし、命を救うために最も重要なことは、「災害によって、自分が命を落とすかもしれない」という危機感を強く持ち、一人一人が行動することです。具体的には、どのような危険が、あなたを襲うのか想定していますか。避難するタイミングはいつですか。避難の時に持っていくものは何ですか。家や職場に備蓄品はありますか。
事前の備えは自分の身を守るだけではなく、周りの人を救うことにもつながります。
災害の様子をテレビやインターネットで見ているだけではなく、今、この瞬間にできることがあるのではないか、そんな気持ちで身の周りを見渡してみてください。また、身近な人と共有してみてください。
災害に対して受け身になるのではなく、私たちの方から備えの一手を打つことはまだまだできるはずです。
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