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自治体の皆さまへ

[特集02] いのち支える自殺対策計画

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岐阜県美濃加茂市

手を伸ばそう その手を握ろう つながる輪

先進国の中でも突出して高い傾向が続いている日本の自殺者数。自殺対策基本法では、毎年9月10日から16日を「自殺予防週間」と定め、全国で自殺予防の啓発活動を行っています。
市では、平成31年3月に自殺対策計画を策定し、かけがえのない市民の皆さんの命を守るための体制を整え、さまざまな自殺対策に取り組んでいます。この特集では、美濃加茂市の自殺者の現状とともに、必要な支援へとつなげる市の取り組みについてご紹介します。

■美濃加茂市の現状は?
自殺はさまざまな要因が複雑に関係して起きるといわれています。病気や障害などの健康問題、失業や倒産、多重債務、長時間労働などの社会的・経済的問題、職場や学校、家庭の問題といったさまざまな社会的要因がそれにあたります。
近年、美濃加茂市の自殺者数は減少傾向でしたが、令和3年度から増加に転じています。下の表の通り、20~50歳代の働き世代の自殺が多いこと、そして男性が多いことが美濃加茂市の特徴です。
また、自殺をする人の多くが、直前にうつ病などの精神疾患を発症しているといわれており、誰もが強いストレスや悩みがあると「自殺を考えること」が起こり得ます。自殺を考えている人は同時に「生きたい」という気持ちを持ち、表情や言動、行動など何らかのサインを出しているといわれています。こうしたサインに気付いて、その人を支えていくことが自殺の予防につながります。

■SOSを伝えられるように
市では市内の小学5年生と中学生を対象に「SOSの出し方教室」を実施しています。この教室では、生涯にわたり誰かに相談できる大人になれることを目標に、自分がかけがえのない存在であることに気付くとともに、ストレスへの対処方法やつらいときには相談することの大切さと、周りに悩んでいる人がいたら声を掛けて話を聞き共感することの大切さを学んでいます。

■過去5年間の美濃加茂市の自殺者数(人)

■誰でも、いつでも、できること「ゲートキーパー」になろう
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気付き、声を掛け、話を聞いて、必要な支援へとつなげ、見守ることができる、言わば「命の門番」と位置づけられる人のことです。悩んでいる人に寄り添い、関わりを通じて「孤独・孤立」を防ぎ、支援することで救える命があります。家族や友人など、身近な人の様子がいつもと違うときは、声を掛けてみましょう。もしかしたら悩みを抱えているかもしれません。
市では、「ゲートキーパー養成講座」を開催しています。講座を受ければ誰もがゲートキーパーになれますので、身近な人のために受講してみませんか。詳細については、お気軽に健康課までお問い合わせください。

■Information ひとりで悩まず、まずは相談してください
相談することは勇気がいることです。病院へ行くことも抵抗があるかもしれません。しかし、相談することで心が軽くなることもありますし、治療をすることで治る可能性もあります。大切なのは、心と体のSOSに気付くこと。下の「こころの健康チェック」を実施し、多くにチェックが入る場合やこうした症状が続く場合は、勇気を出して相談してください。

◆こころの健康チェック
□毎日の生活に充実感がない
□食欲がない、または食べすぎる
□やる気が起こらない
□体のだるさが続いている
□眠れない、夜中に目が覚める
□消えてしまいたいと思うことがある

市では、生きるための支援「ワンストップ窓口 健康課」を立ち上げています。どこに相談したらいいかわからないときは、ひとりで抱え込まずに健康課へご相談ください。健康課がそれぞれの悩みに合わせて、適切な窓口につなげたり、必要に応じて支援メンバーを集めたりして、解決に向けた支援が受けられるように他の部署や関係機関と連携して支援します。
・生きるための支援 ワンストップ窓口 健康課
【電話】0574-66-1365(健康課成人保健係)
※相談は、月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)の午前8時30分~午後5時15分で受け付けています

■いのち支える 自殺対策計画 人と人が支え合える地域へ
今回の特集タイトルにもある「手を伸ばそうその手を握ろうつながる輪」という言葉は、美濃加茂市自殺対策計画のサブタイトルでもあります。これは、ひとりで悩んでいる人に対して、周りにいる誰かに話してほしいということと、そういう人に気付いたら思い切って声を掛け、話を聞いて、適切な相談先につないでほしいという思いが込められています。
家族や仲間など身近な人の様子がいつもと違うことに気付いたら、迷わず声を掛けてください。ちょっと勇気を出して相手をいたわる気持ちを伝えることで、誰もがゲートキーパーになることができます。「消えてしまいたい」などといったつらい思いを抱えている人を「生きるための支援 ワンストップ窓口 健康課」にぜひつないでください。
自殺対策計画の策定から5年目を迎えました。市では、これまでの取り組みと現状を振り返りながら、今年度中に新たな自殺対策計画を策定していきます。

問合せ:健康課成人保健係
【電話】66-1365

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