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自治体の皆さまへ

[特集01]1983.9.28(2)

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岐阜県美濃加茂市

◆Interview01 当時、太田小学校4年生で、9.28災害を経験
小津 克也(おづかつや)さん
当時10歳だった私は、家族でニュースを見ていました。台風10号の影響で、近くを流れる加茂川の増水を心配した父親が、外に出て川を見に行くとすぐに戻り、すごいけんまくで「あかん。2階へすぐ逃げろ」と言ったことを未だに覚えています。
加茂川の水が逆流し、その勢いある水が家の前の側溝のブロックを押し上げながら、どんどんこちらに迫ってくるのが見えました。その後、加茂川の流れは南から越水した木曽川と合わさり、濁流と化しました。父親に言われたとおりに家族で2階に上がり、ベランダからその様子を眺めていましたが、ガスボンベや冷蔵庫が目の前を流れている光景は、子どもながらに「もうだめかもしれない」と感じていました。
水位が下がったという連絡があり、安心して眠りにつきましたが、大人になった今でも水害の夢を見ることがあるので、トラウマになっているのかもしれません。そのため、台風が接近したり大雨が降ったりする予報が出たときは、自分でも情報を集め、最悪の事態を想定した対応を考え、家族や社員にすぐに伝えられるようにしています。

◆Interview02 当時、市の総務課係長として連絡系統を担う
酒向 紘一(さこうこういち)さん
当時は、市の広報車両などで避難の呼び掛けを行っていましたが、当時は現在各地区に設置されているような防災行政無線(同報無線)はありませんでした。そのため、警察や消防、消防団など多くの人に浸水地域を巡回いただき、被害状況や救助者の情報を市役所1階にあった無線などで受けていました。
市役所も机の天板まで浸水している中「平屋の天井を破って屋根に逃げている」「電柱にしがみついている」といった想像を絶するような連絡が届いたことを覚えています。また、市役所前の国道には、ライン下りで使う船がトラックから人力で下され、消防や警察の船とともに救助活動を行っていました。
水が引いた後、まちにあふれていたごみの処理や消毒、被災者への炊き出しといった復旧活動に尽力いただいた自治会やボランティアなど、多くの皆さんには本当に感謝しかありませんでした。
「この災害は100年に1度の規模だ」と当時話をしていましたが、今では線状降水帯の発生などが原因で全国各地で想像を超える災害が発生しています。こうしたことから、地域で防災について考える機会をもつ必要があると日々感じています。

◆Information 防災意識を高める「家族で防災会議」
市では、災害時に自分や自分の大切な人の命を守るための取り組みとして、毎年9月に「家族で防災会議」を実施しています。
本号折り込みの「家族で防災会議」を使い、災害発生時に「何を持って」「誰と」「いつまでに」避難するのかを事前に家族で話し合いながら、災害に対する事前の備えについて各家庭で考える時間を作っていただき防災意識を高めていきましょう。

◆Topics 災害発生時の情報の取得方法
災害はいつ発生するかわかりません。また、災害の種類(地震や水害など)や被害状況によって、その時に使用できる機器や媒体が異なることから、常にあらゆる手段で情報を取得できるようにしておくことが大切です。
また、災害が発生してからの対応だけでなく、「ハザードマップ」を見て、事前の準備も心掛けておきましょう。

◇美濃加茂市ハザードマップ
美濃加茂市ハザードマップには河川氾濫時の浸水エリアだけでなく、土砂災害警戒区域や避難所の位置などについても各地区別に掲載しています。市防災安全課や各地区の交流センターなどで配布していますので、ぜひご覧いただき、災害に備えましょう。
また、紙だけでなく、災害時にどこにいても迅速に情報収集ができるよう「ウェブ版ハザードマップ」も公開していますので、こちらもぜひご活用ください。
※本紙掲載の二次元コードからご確認いただけます

◇防災行政無線・防災アプリ
市内に設置されたスピーカーから、緊急情報などを放送します。また「防災アプリ(詳細は本紙掲載の二次元コードからご確認いただけます)」では、放送内容を音声や文章で確認できます。

◇美濃加茂市公式ホームページ
市が緊急情報や避難情報などが発令した場合、その内容が、市公式ホームページ(本紙掲載の二次元コードからご確認いただけます)のトップ画面に掲示されます。

◇すぐメールみのかも
市からの緊急情報などを発信します。スマートフォンなどから指定のアドレス(【E-mail】t-minokamo@sg-p.jp)に空メールを送り登録してください。なお、本紙掲載の二次元コードからも登録できます。

◇公式LINE(ライン)とX(エックス)(旧:Twitter(ツイッター))
緊急情報をリアルタイムで発信します。
※本紙掲載の二次元コードから登録、閲覧が可能です

◇美濃加茂市防災ラジオ、コミュニティFM「FMらら」
適切な防災情報をより確実に伝達するために「防災ラジオ」を無償で貸し出しています。希望する人は、市防災安全課または各連絡所(太田連絡所を除く)にお申し込みください。
また、地域の緊急、災害情報や市政などに関する情報をいち早く提供することを目的としているコミュニティFM「FMらら」は、ラジオからだけでなく、スマートフォンからも聞くことができます。
※いずれも詳細は本紙掲載の二次元コードからご確認いただけます

問合せ:防災安全課防災係
【電話】内線272

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