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自治体の皆さまへ

特集 自分ゴトとして考える。認知症のこと。(1)

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岡山県岡山市 クリエイティブ・コモンズ

認知症は、高齢者の5人に1人がなるともいわれ、65歳未満の若い人でもなりかねないと認識されつつあります。

■周りの人が理解する環境も大切。
認知症は、家族など、周りの協力や環境で症状がゆるやかになることがあります。
実際の声を聞いてみました。

◆若年性認知症と判断されて。
今回お話を伺ったのは、今から約2年半前に認知症と診断された双田洋三さんと妻の京香さん。ご本人の自覚症状はなかったものの、会話をしているときに話がずれてしまったり、物を無くして帰ってきたりしたことから、京香さんは認知症を疑い始めたといいます。「明らかに違和感があるのに、なかなか認知症の診断がつかず、3~4年かかってやっと診断されました。病名がつかず誰にも相談できない状態が一番辛かったですね」。認知症と診断されてからは、病院の先生や地域包括支援センターに相談したり、認知症に関する本を読み知識を増やしたりすることで、少しずつ病気と向き合っていったと京香さんは話します。

◆ちょっとの工夫で日常生活を楽しく。
「今日が何日か分かるように紙に書いて知らせたり、部屋のどこに何があるか分かるように整頓したりしています」と、京香さんも暮らしの中にさまざまな工夫を取り入れているそう。「できることはまだまだあるけれどもできないことが増えてきているのも事実です。そんなときは深刻に捉えずに“コント”だと思うようにしているんです。例えば夫が私の洋服に着替えてきた、そしたら『お父さん、それ私のや~ん!』ってツッコむと言った具合に。そしたらお互いに腹も立たないし、笑って乗り越えられるんですよね」。洋三さんは月1~2回、カラオケに行くのが一番の楽しみだそうです。「歌っているときはいい顔をしています。認知症にもいい効果があるのかな」と京香さん。

◆一人で悩まず誰かに話してほしい。
2カ月に1回岡山県若年性認知症の人と家族のつどい「ひまわりの会」に参加しているという洋三さんと京香さん。同じ悩みを持つ仲間と話ができることが2人の楽しみになっているといいます。「みんなとカレー作りをしたり、お弁当を食べながらおしゃべりしたりしています。ただ症状が進むにつれ、気持ちのやり場がなくなってしまうこともあります。そんな時こそ一人で抱え込まず、誰かに話し、共感してもらうことで心が落ち着くことも。まだ地域包括支援センターを利用したり、認知症患者の集まりに行ったことがない人は、勇気を出してぜひ行ってみてほしいです」。

■家族同士、本人同士が集まることで理解が深まる 支えあえる場所があります。
◆医療介護の連携 認知症の人や家族をサポートする仕組み
岡山市では認知症になった本人と家族が悩みを相談できる認知症疾患医療センターの運営を行っています。医療と介護が連携することで、認知症の早期発見・早期対応、また認知症の状態に合わせた診療をすることができます。

◆当事者への支援
◇認知症カフェ
市内41カ所に設置され、誰もが集える場所です。気軽に悩み相談や世間話などができるだけでなく、早期に専門職などとつながることができます。

◇本人ミーティング
認知症の人同士が自分たちの体験ややりたいこと、必要としていることを語り合う本人ミーティングも行われています。

〈参加者の声〉
ここでは私個人を見てくれる。仲間になる出会いがあり、みんなと一緒に活動することが大きな力になる

◇ピアサポート
認知症当事者(ピアサポーター)が、自らの経験をもとに悩みや不安、想いを一緒に話します。

◆見守りとして地域の支援体制
◇チームオレンジ
令和4年度からスタート。「認知症の人やその家族がどう暮らしていきたいか」という声を聴いて、認知症の人とその家族、地域の認知症サポーターが一緒になって地域活動を考えています。

◇さがしてメール
認知症により行方不明になる恐れのある人と、捜索に協力してくれる協力事業者や協力者を事前に登録します。万が一行方不明となった場合には登録された情報を協力者などへメール配信し、捜索に協力してもらうことができます。

▽認知症サポーター養成講座[受講料無料]
認知症やその家族を地域で支えていきませんか?

認知症サポーターは何か特別なことをする人ではありません。
・企業で
・学校で
・地域で
認知症サポーター養成講座を開きませんか?

問合せ:(公財)岡山市ふれあい公社地域包括支援課
【電話】086-274-5136

問合せ:高齢者福祉課
【電話】086-803-1230

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