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【特集】“森林を小さな林業で未来につなぐ”「自伐型林業」はじめました(2)

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岩手県一関市

■市の森林と林業の現状
本市の森林面積は約7万8千ヘクタールと総面積の約6割を占め、そのうち私有林人工林面積は全国26位の広さを誇ります。豊富な森林資源を有していますが、近年、伐採した面積に対する植林面積は2割程度と植林が進んでいません。間伐を行った面積は平成23年からの10年間で大幅に減少し、間伐の遅れが心配されます。また、林業従事者の高齢化も進んでおり、担い手の減少も課題です。

市農林部 林政推進課 地域林政アドバイザー
菊池 宏さん(63)(大東町大原)
〔Profile〕
地元の森林組合を定年退職後、市の地域林政アドバイザーとして伐採・造林の指導や助言、市町村林の経営計画の作成、実行管理、事業発注への助言などを行う

■メッセージ
◇森林を生かして地方創生につなげて
自伐型林業は、森林所有者や環境意識の高い人などに向いていると思います。全国的には中山間地域に移住者や新規就業者が増えるなど、地方創生として成果を上げている自治体もあります。林業は普通の作物を育てるよりも時間がかかるものなので、続けることが大切です。山の確保や技術の習得に、5〜10年という長い目で見て取り組んでください。

NPO法人 自伐型林業推進協会 代表理事
中嶋健造(けんぞう)さん(61)(高知県いの町)
〔Profile〕
愛媛大大学院農学研究科修了。IT、経営、自然環境コンサルタント会社を経てフリーに。2003年に「NPO法人土佐の森・救援隊」設立。14年に自伐型林業推進協会を立ち上げ、全国普及に尽力

■市林業HP
森林所有者、林業や木材加工の仕事をしている人、森林に関心がある人などをつなぎ、情報提供することを目的に、市公式林業ホームページ「森人いちのせき」を開設しています。本紙掲載の二次元コードから確認してください。

■体験研修参加者の声
◇自伐型に期待しています
高村英彦(ひでひこ)さん(49)(花泉 自営業)
林業の経験がありますが、皆伐が豪雨時に災害を誘発しやすいと研修で知り、心を痛めました。自伐型林業は2割ほどの間伐を繰り返すことで、成長を促し、山全体の木の体積を増やしていく。山を壊さない林業に希望を感じています。

◇自分たちで整備できれば
横田高晴(たかはる)さん(60)(一関 会社員)
妻の実家が山を持っているので、自分たちで整備できないかと夫婦で研修に参加しました。チェーンソーなどの機械を扱うのは初めてで戸惑う部分がありました。またこういった研修の機会などがあれば受講したいです。

■令和5年度の取り組み
◇フォーラム
川崎市民センターを会場に市民ら約130人が参加し、専門家の基調講演やパネルディスカッションを開催。持続可能な中山間地域の暮らしを考えました。

◇体験研修
全8日間の日程で、奈良県吉野の林業家らを講師に、チェーンソーの取り扱い技術、枝払い、丸太加工や災害に強い作業道開設のノウハウなどを学びました。

◇地域おこし協力隊着任
福島県須賀川市から加藤純(じゅん)さん(43)、広島市から丸谷誠司(せいじ)さん(49)・留奈(るな)さん(43)夫婦が大東の京津畑集落に移住。集落活動などに参加しながら、自伐型林業の知識や技術の習得に励んでいます。

自伐型林業に挑戦する地域おこし協力隊の活動を発信中!!
※詳しくは本紙をご覧ください。

問合せ:本庁林政推進課
【電話】21-8195

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