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国際交差点vol.40

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島根県松江市 クリエイティブ・コモンズ

友好都市銀川(ぎんせん)、その魅力
島根大学・寧夏(ねいか)大学国際共同研究所 田中奈緒美

みなさん、こんにちは。松江市出身の田中と申します。生粋の日本人ですが、仕事の関係で、2008年から約11年間、松江市の友好都市である中国・銀川市に住んでいたことから、この「国際交差点」に寄稿する機会をいただきました。今回は、来年で松江市との友好都市提携20周年を迎える、銀川市についてご紹介します。
銀川市のある寧夏回族自治区(ねいかかいぞくじちく)は、中国の北西部に位置しています。北西部には、他に西安(せいあん)や新疆(しんきょう)・チベットなども含まれ、中国の中でも自然環境の厳しい地域です。寧夏も東西を砂漠に挟まれた乾燥地域ですが、銀川市自体は黄河の恵みを利用して造られたオアシス都市で、人口は約230万人、高層ビルの立ち並ぶ大きな街です。砂漠のイメージを持って訪問すると、その発展した様子に驚くかもしれません。また、寧夏は回族自治区という名の通り、イスラム教徒である回族の人々が暮らす地域でもあります。回族は、何百年も前にアラブ地域から来た人たちが祖先なので、見た目は漢族とほぼ変わりませんが、生活の上では特有の習慣を残しており、銀川市内でも、モスクや豚肉を使わない回族用のレストランなど、特徴的な要素を見いだすことができます。砂漠やイスラム文化などの異国情緒あふれる部分と現代的な街並みが合わさっているところが、銀川の魅力の一つだと思います。
もう一つの銀川の魅力は、人々の優しさです。多民族地域であることで、他の人の生活に干渉しない適度な距離感を持っていながら、中国的な「おせっかい」もあり、必要なときには手を差し伸べてくれます。これは、私が外国人であることとも関係があったかもしれません。外国人が極端に少ない地域(日本人は2019年当時で約15人)であるため、物珍しさもあって、みんなとても親切にしてくれました。ちなみに銀川市では、タクシーの運転手さんなど一般の人たちも、島根・松江の名前を知っていて、その認知度の高さにびっくりします。これも、長年に渡る各分野での交流のたまものですね。来年は記念事業なども予定していると聞いています。今後、交流がさらに活発になり、松江のみなさんにとって銀川市がより身近な存在になることを願っています。

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