■第37回:「塩分ってどれだけ控えればいいんですか?」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。
先日いただいた質問はこれです。
「塩分ってどれだけ控えればいいんですか?」
塩分摂取に関しては、世の中では、1日6gや9gがいいと指導されています。
しかし実は最近の研究で、「塩分摂取量は人それぞれで、体調に合わせてその量を変える必要がある」ことが分かってきています。
一般的に、減塩は健康にとって重要だとされています。ただ過度の減塩は筋痙攣(きんけいれん)や全身倦怠感の原因となります。最近の病院の外来で、高血圧症がない方が、塩分を頑張って減らし脱水症状になり、足の筋肉が痙攣して腎臓が悪くなっていることがあります。
高血圧がある方々は積極的に6〜9g程度に減塩を行った方がいいですが、減塩によって、夜中に筋肉が痙攣して足が痛くなる方は、減塩による健康被害もあります。どんな食事制限も自分の体調に合わせて行っていきたいですね。
これからどんどん暑くなり、脱水症の方々が増えますので、塩分摂取は自分の血圧や体調をみながら調整していきたいですね。
夜間の足の痛みは塩分と水分の摂取不足の可能性あり
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