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自治体の皆さまへ

感染認定看護師のお話

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島根県雲南市

■新型コロナウイルスだけじゃない!この冬注意したい感染症のはなし
~季節外れの流行にも要注意!~
感染管理認定看護師 茂富 良太(しげとみりょうた)

国内の新型コロナウイルス感染症の流行も3年が経過し、令和5年3月に行政が一律にルールとしてマスク着用を求めることをやめ、着用は個人の判断に委ねられることが基本とされ、5月には新型コロナウイルス感染症は感染症法上5類に位置付けられました。
長引いた新型コロナウイルスの流行期には国民一人ひとりが感染症予防に心掛けていたおかげで本来流行するその他の感染症の流行拡大が少なかったように思います。しかし、例年であれば12月に流行入りするインフルエンザの感染が昨年9月に全国各地で急増しそのままシーズン入りしました。インフルエンザ対策は、マスクの着用や手指衛生、ワクチン接種など複合的に実施することで効果が得られます。新型コロナウイルス感染症対策はまさにインフルエンザ対策につながるため、やはり対策の緩みが影響したと推察されます。
また対策が緩んだことで、これまで流行が抑えられていた季節性の感染症が思わぬ時期に流行拡大したり、子どもを中心とした免疫を持たない世代が感染症にかかったりする事例が多く発生しています。加えて海外からの観光客が感染症を持ち込むケースもありますので、場所によってはマスクを着用するなど予防を心掛ける必要があります。

◯この冬注意したい感染症
《インフルエンザ》
全国で注意報レベルを超えるなど流行拡大中。流行入りが早いためワクチンは例年よりも早めに受けると良いでしょう。

《咽頭結膜熱(プール熱)(アデノウイルス感染症)》
患者報告数は過去10年で最多。ここ3年大きな流行がなかったため免疫を持たない人が増えていることが要因です。原因となるアデノウイルスは流行性角結膜炎などの感染症も引き起こすうえ、アルコールの消毒が効きにくいです。

《A群溶血レンサ球菌感染症(溶連菌感染症)》
過去最大レベルの流行。ここ3年大きな流行がなかったため免疫を持たない人が増えていることが要因です。小児に多く見られる感染症。突然38℃以上の発熱、全身の倦怠感、ノドの痛みの症状が現れます。

《新型コロナウイルス感染症》
全国の感染者数は減少していますが、これまでも12月に向けて流行が拡大したので再増加に警戒が必要です。

《感染性胃腸炎》
冬季に流行、わずかな量のウイルスが体に入るだけで感染するため感染力が強いです。家庭内感染に注意しましょう。特に高齢者や小児は脱水にならないように小まめに水分を摂取することが重要です。

◯2回目の感染にご注意を!
季節性インフルエンザはA型とB型がありますが、同じ型あるいは違う型のインフルエンザに2回かかることもあります。それは原因ウイルスであるインフルエンザウイルスにいくつかの種類(国内で流行しているインフルエンザA型はH1N1型とH3N2型が主流)があるためです。通常は一度インフルエンザにかかると、その原因ウイルスに対して抗体がつくられ、繰り返しかかることはありません。しかし、その抗体は違う種類のインフルエンザには効果がないため、同じシーズン中に2回インフルエンザにかかることがあるのです。そのため、1回かかったから大丈夫といって油断はできません。シーズンを通して予防対策を怠らないようにしましょう。

◇おわりに
寒くなってきて体調を崩す方もいます。十分な栄養を摂ってしっかり休養することで感染症にかかりにくい身体づくりを心掛けましょう。またマスクを着ける、家に帰ったら手を洗う、換気や加湿を行うなど基本的な感染予防対策を行い、元気にこの冬を乗り越えましょう。

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