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雲南病院だより

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島根県雲南市

■「とっても怖いメタボリックシンドローム」
内科診療科部長 糖尿病科 三宅仁美(みやけひとみ)

若いころと比べてお腹が出てきたという方も多いのではないでしょうか。それは内臓脂肪が増えているせいかもしれません。
内臓脂肪の蓄積は密かに動脈硬化を進行させ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を引き起こしますが、これに高血圧や高血糖などが加わるとさらにリスクが高まることが分かっています。
内臓脂肪の蓄積に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさった状態をメタボリックシンドロームといいます。

◯メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断には内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上)が必須の条件です。内臓脂肪を正確に測定するにはCT検査が必要ですが、全員に行うことは難しいので、実際の診断には、内臓脂肪面積が100平方センチメートルに相当するウエスト周囲径(男性85cm以上、女性90cm以上)が用いられています。
ウエスト周囲径が男性は85cm、女性は90cmを超えていて、なおかつ高血圧・高血糖・脂質異常の3項目のうち2つ以上該当した場合にメタボリックシンドロームと診断します。

◯特定健診とは?
平成20年度から、メタボリックシンドロームに該当する方やその予備群の方を減らすため、40歳から74歳までを対象に特定健康診査(特定健診)がスタートしました。
特定健診では、身体測定、血圧測定、血液検査だけでなく、生活習慣に関する問診を行います。
メタボリックシンドロームは、予備群まで含めると、40歳以上の男性の2人に1人、女性の5人に1人が該当するといわれています。
生活習慣病を早期発見し、早期対策に結び付けるために、対象の方は必ず特定健診を受けるようにしましょう。

◇内臓脂肪蓄積状態のウエスト周囲径
・女性90cm以上
・男性85cm以上

へその高さで測定
軽く息を吐いた時点で測定

◇メタボリックシンドロームの診断基準
《内臓脂肪型肥満》
ウエスト周囲径:
・男性…85cm以上
・女性…90cm以上
上記に加えて
《高血圧》
収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
《高血糖》
空腹時血糖値110mg/dL以上またはHbA1c5.5%以上
《脂質異常》
中性脂肪150mg/dL以上またはHDL-C40mg/dL未満

2つ以上当てはまればメタボリックシンドローム

mmHg:ミリメートル水銀柱

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