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市政の動き

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広島県安芸高田市

■道の駅の改修工事に関する顛末(てんまつ)
道の駅「三矢の里あきたかた」へ(株)良品計画が「無印良品」を出店する計画があり、6月定例会において道の駅を改修する工事の費用を補正予算に計上しました。しかし、議会が反対し予算を削除したため、計画は頓挫しました。議会で説明した内容も含め、顛末について説明します。

◇出店の経緯
市は2022年2月から事業者と連携協定に関する協議を行っています。当初は市の農産物等を活用してもらうだけの構想でした。その後、事業者は地元関係者との話し合いを通して市内に拠点を設ける意向を固め、2023年1月に市へ出店の提案をされました。

◇出店に向けた改修工事
道の駅の改修工事には3,300万円を計上していました。もっとも、出店によって道の駅の収支が年間で470万円ほど改善するため、約7年で回収できる計算です。一方、事業者自身は店舗の内装といった整備に約8千万円を費やす計画となっていました。

◇出店の効果
出店の効果は多岐にわたり、市の活性化が期待されていました。まず、世界的ブランド力のある店舗によって、市内外から集客が見込めます。加えて、地元の特産品を活かした商品開発や店舗網を通じた販路拡大が期待できます。さらには、包括協定に基づき、有害鳥獣や耕作放棄地といった地域課題の解消にも取り組める上に、移住や住まいの相談窓口を設けるなど人口減少への対策にもつながる計画となっていました。

◇専決処分による対応
改修工事にはまず調査設計が必要で、その業務委託を4月28日に専決処分(※1)で対応しました。事業者との包括連携協定の締結が4月27日となる(※2)一方で、12月の開業を目指して逆算したところ、5月の連休前に着手する必要があったためです。

◇専決処分の不承認
しかし、議会はこの専決処分を不承認としました。「臨時会を開く時間はあった」という手続きに関する主張は、異なる立場による見解の相違です。一方で、「公募をしていないのはおかしい」という内容に関する主張は、単に議員の認識が間違っているだけです(※3)。

◇改修工事に対する反対
その後、議会は補正予算における改修工事の経費を削除しました。事業の中身ではなく、主に専決処分の不承認を理由とする「反対だから反対」という主張になっています。
なお、山根議員や山本優議員の「事前に説明がなかった」という主張は、補正予算の審議の中ですでに説明を受けた以上は理由になり得ません。この点に関して、田邊議員は「(審議の中で)質疑をしないのは職責を放棄している」と指摘されていますし、熊高議員は「議会が話を聞く場を持たなかった、説明がなかったと言うのは一方的すぎる」と喝(かっぱ)破されました。
また、山本数博議員、山本優議員、石飛議員はなおも公募について問題視されましたが、南澤議員は「公募は不要」という事実を正しく理解し、説明されています。

・道の駅の改修工事に対する賛否(6/16採決) ※敬称略
賛成:南澤克彦、田邊介三、芦田宏治、熊高昌三、秋田雅朝、金行哲昭
反対:山本数博、武岡隆文、新田和明、山根温子、先川和幸、石飛慶久、山本優、宍戸夫
※6/16の本会議を大下議長は欠席。代理を務めた児玉副議長は採決に不参加。
※6/13の予算委員会の中で児玉副議長は反対を表明。大下議長は欠席。

◇議会は説明を拒否
このように改修工事に反対する理由が要領を得ないため、執行部としては身動きが取れない状況に陥りました。そこで、反対した議員に対して説明を求める通知を送りましたが、全議員が受け取りを拒否する始末となっています。
議会活動について解説した『議員必携』には「批判のみに終わる一人芝居では能がない」とまで書かれています。対案のない批判に意味はなく、議員には責任を持った言動が求められます。

[※1]議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると市長が認めるときに、議会の議決を経ずに市長が対処できます。
[※2]同時に事業者は広島県とも協定を締結しており、情報開示の時期は三者の調整によって決まっています。
[※3]第三セクターである道の駅がテナントを決める権限を持つため、公募する必要はありません。

市長 石丸 伸二

■主な動き
・6/16[議員への書面通知]道の駅の改修工事に反対した議員へ理由を確認するため、面談の日程調整を申し入れ。
・6/19[面談]南澤議員、田邊議員とこども園・公園の整備について意見交換。
・6/21[議会事務局からの連絡]6月16日付の通知について各議員が受け取りを拒否したと議会事務局から口頭で確認。

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