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自治体の皆さまへ

全国へ広がる、わがまちの神楽 神楽から生まれた新たな交流 佐賀への神楽伝承の取り組み(2)

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広島県安芸高田市

■安芸高田の神楽から学び佐賀独自の文化へ 佐賀神楽団
2020年の発足以来、桑田天使神楽団の指導のもと神楽の技術を習得。少しずつ衣装や道具をそろえ、活動の幅を広げています。2023年9月にはオリジナルの演目「佐嘉郡(さがごおり)」が完成。佐賀県内でのさまざまな公演機会で新演目を積極的に披露しています。
これまでの3年間の歩みを、佐賀神楽団のお二人と桑田天使神楽団の松田団長が振り返ります。
・佐賀神楽団
団員 下枝 聖治さん
団長 宮田 悠輝仁さん
・桑田天使神楽団
団長 松田 祐生さん

◆佐賀神楽団これまでの歩み
・2020年
10月 佐賀県関係者が安芸高田の神楽を視察
12月 佐賀神楽団を結成
12月~ 桑田天使神楽団による演技指導(全5回)
・2021年
4月 佐賀県立太良高校で神楽演技指導を毎週実施
8月 安芸高田市で神楽合宿
9月 嬉野市で神楽プレ公演
11月 第4回佐賀県伝承芸能祭に初出演
・2022年
4月 衣装、機材などを整備し活動を本格化
7月 自主公演を開催
10月 第5回佐賀県伝承芸能祭に出演
・2023年
2月 佐賀神楽団主催で嬉野文化まつりを開催
9月 第26回かしま伝承芸能フェスティバルで「佐嘉郡」披露
11月 “LiveS Beyond II”嬉野温泉佐賀神楽のゆうべで「佐嘉郡」披露

◆下枝さんに聞きました
○神楽を初めて観たときの感想は?
熱量や迫力に驚き、感動して泣いてしまいました。私は当時、裏方のスタッフだったのですが、自分も神楽の発信元になりたい、この感動をもっと多くの人に伝えたいと思い、舞手に転向しました。

○印象に残っていることは?
日本文化を伝えるイベントに参加するためニューヨークに行ったのですが、神楽の衣装を見た外国の方々が興奮してくださり、神楽の可能性を感じました。また、神楽の演技指導をしている高校生たちが、神楽を素直に楽しんでくれることがうれしい。この経験を通して郷土愛を育んでくれたらいいなと思います。

○神楽で最も大変なことは?
流れるようなリズムで舞うのが難しいです。私たちは元々劇団員なので、バシッと見せ場が決まっているようなステージが癖づいているんです。神事である神楽とは根本が違うので、感覚をつかむのに苦労しています。

◆宮田さんに聞きました
○印象に残っていることは?
2021年に安芸高田市へ神楽合宿に行き、神楽ドームで「滝夜叉姫」を披露させていただきました。初めて本格的な衣装を着て舞ったのですが、重いし暑いし本当にキツかった。その場で桑田天使神楽団さんが舞いを見せてくださったのですが、スピードも呼吸も何もかもが違う。自信がポキッと折れました…(苦笑)。でも、これがきっかけで、より一層練習に気合が入るようになりました。

○神楽で最も大変なことは?
奏楽の練習です。神楽において奏楽が最も重要だと松田さんに教えていただきました。しかし、和楽器を触ったことがない上に、神楽特有のリズムや拍子の感覚も持っていません。移動中は常にイヤホンで音源を聴き、体に覚えさせました。

○オリジナルの演目「佐嘉郡」はどのように作りましたか?
佐賀県の文献を集めて、松田さんに台本を書き下ろしていただきました。分からないことを調べて伝えて、また調べて伝えて…と約半年かかりました。バラバラとかき集めたエピソードを見事に台本に仕上げてくださった松田さんには、尊敬と感謝しかありません。

◆松田さんに聞きました
○神楽を教えてみていかがですか?
元々ダンスなどをしていた劇団に所属する皆さんなので、歌も舞いも飲み込みが早く、潜在能力の高さを感じました。会って指導できる機会は限られており、動画を見ながら指導する形でしたが、不安はありませんでした。2020年12月に指導開始、2021年9月に佐賀県でお披露目というタイトなスケジュールでしたが、短い期間で集中して取り組めたのが逆に良かったと思います。

○佐賀神楽団に期待することは?
佐賀らしさのある神楽で地域の風土や文化を伝え、100年先まで続く神楽を築いていただきたいです。そのためには次世代に継承される仕組みを作り、収入を得ていくことも大切だと思います。ひとまず来年は、安芸高田の神楽ドームにお招きしたいと思っています。オリジナル演目「佐嘉郡」を披露していただくのが楽しみです。

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