特集 新春特別座談会ー1ー

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新年明けましておめでとうございます。令和6年がスタートしました。
新春号は、元広島東洋カープの達川光男さんと広島県立庄原実業高等学校の皆さんを迎え、木山耕三市長と座談会を行った様子をお届けします。
同校は、令和5年度秋季広島県高等学校野球大会で45年ぶりにベスト8の成績を収め、第96回選抜高等学校野球大会(センバツ甲子園)の21世紀枠広島県推薦校に初めて選出されました。これを記念し、同校と縁のある達川さんを交え、座談会を行いました。

【広島県立庄原実業高等学校の概要】
明治41年に創立され、本年で創立116年を迎える。全日制課程で、校訓は「質実剛健」―誠実に努力する―。学科は「生物生産学科」「食品工学科」「環境工学科」「生活科学科」の4学科。在校生264人。(令和5年12月22日現在)
同校の硬式野球部は昭和37年に創立され、現在部員は18人(マネージャー2人含む)。

■はじめに
市長　明けましておめでとうございます。本日の座談会は、市が取り組んでいる「庄原ファンクラブ」の活動の一環として、昨年10月1日に広島市で開催した庄原ファンクラブ会員募集イベントが発端となっています。
イベントでは、私と庄原市ふるさと大使の西田篤史(にしだあつし)さん、達川光男さんの3人でトークショーを行いました。
その際、達川さんが広島商業高校(以下「広商」)3年生のときに、夏の甲子園で全国制覇を成し遂げたエピソードを話してくださいましたが、県予選で庄原実業高校(以下「実業」)と対戦したときの印象が強く残っていると繰り返し話していらっしゃいました。
この度、実業が21世紀枠で広島県の代表に推薦されましたので、これはぜひ、達川さんと実業の皆さんが、話す機会をもってもらいたいと思い、本日の座談会を設定させていただきました。
達川さん、その節はありがとうございました。

達川　とんでもございません。あの時は楽しく話をさせてもらいました。

市長　達川さんと実業の皆さんには、この座談会を提案したときに、「ぜひとも」と返事をしていただき、うれしい限りです。今回の座談会を、達川さんから力を貸してもらうチャンスにしてもらえればと思います。

■実業VS広商
市長　達川さんは庄原市にどのような印象をお持ちですか。

達川　私にとって庄原市といえば、やっぱり実業です。市長も先ほど話しておられましたが、夏の甲子園県予選での対戦です。実業と3回戦で当たりましたが、そのときの試合は本当にすごかった。延長13回の表、実業の攻撃で2アウト、ランナー1塁だったと思います。左中間にヒットを打たれて「負けた」と思いましたが、ランナーが途中、足がもつれてこけたんですよ。あれがこけずにホームへ帰っていたら負けていた。
広商としては、少しなめていて、油断していた。これは間違いありません。実業にはコールドで勝てると思っていましたが、実業は1試合1試合強くなっていて本当に危なかった。あれで負けていたら、私はカープに入っていなかったかもしれないですね。

市長　試合は何対何で勝ったんですか。

達川　4対3ですよ。延長14回でした。その時、チームの合言葉もできましたよ。「苦しいときには実業を思い出せ」という合言葉。その後、苦しい試合もたくさんありましたけど、実業戦と比べれば何とかなるという気持ちで試合に臨んで、甲子園で優勝することができました。

市長　達川さんはその話をよくされますよね。

達川　当時の部長も「この優勝は実業の試合があったから優勝できた」と言っています。実業は私にとって、人生の教訓を得た学校です。

校長　今日は、学校で保管している当時の新聞記事を持って来ています。

達川　懐かしいですね。実業は12安打も打ってますね。私も2安打打ってるな。この記事を見ると、その年の秋に実業へ、全国制覇のお礼試合に行ったことを思い出します。
そのときの結果は、19対0でした。本当はこれくらい力の差があったのに、トーナメントは何が起こるか分かりませんね。

校長　地元の人が2千人ぐらい集まったと伺っています。

達川　広商を追い詰めたことは、実業でも語り継がれているのかな。

主将　聞いています。僕たちもいつかそんな試合がしたいと日々頑張っています。

昭和48年7月全国高校野球選手権大会広島県大会　スコア

広商が1～2回に2点を先取したが、3回表に実業が3点を奪い逆転。6回裏に広商が1点を奪い返し、同点で延長戦に突入。13回表、実業の攻撃で2死一塁の場面。打者が長打を放ち、勝ち越し点が入るかと思われたが、一塁ランナーが三塁付近で転倒し、タッチアウトとなった。延長14回裏に広商が1点を奪い、4対3で激闘を制した。