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自治体の皆さまへ

特集 新春特別座談会ー2ー

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広島県庄原市

■実業の取り組み
市長 折角ですので、実業の取り組みを教えていただけますか。

校長 本校は「生物生産学科」「食品工学科」「環境工学科」「生活科学科」の4学科あり、それぞれに合わせた教育活動をしています。
学科ごとに特色ある活動をしていて、ナシを香港に輸出したり、地域行事(口和モーモー祭)で牛の碁盤乗りを披露したりと、さまざまな活動を行っています。
ナシは、現在地元企業と協力して酢の開発に取り組んでいます。
また本校の大きな柱として「10年後の庄原市をどうするか」をテーマに活動しています。生徒たちが、いろんなアイデアを考え、市役所や商工会の人にアイデアを提供し、それについて意見をいただいたり、農業ではドローンを使った農薬散布や自動田植え機、自動コンバインなど、最先端の農業技術を体験したりしています。
農業の技術を継承することも大事ですが、10年後の庄原市でどのような活動ができるかを考え、教育活動を行っています。

達川 感動しました。素晴らしい活動をしていますね。

校長 校舎の玄関には「力耕不吾欺(りきこうわれをあざむかず)」の書を掲げていて、本校のモットーにしています。達川さんも大事にしている言葉ですよね。

達川 「力耕不吾欺」は私もよく言ってる言葉なんですよ。本当にいい言葉。主将はこの意味を知っているかな。

主将 いえ、詳しくは…

達川 これは「力強く耕した畑は、耕したあなたを裏切らない」という意味。「一生懸命練習した者は、自分を裏切らない」ということなんよ。だから実業の野球部は、「力耕不吾欺」を合言葉に練習すればいいよ。

主将 ありがとうございます。

■硬式野球部の活躍
市長 実業の硬式野球部が昨年、令和5年度秋季広島県高等学校野球大会で、45年ぶりにベスト8となり、センバツ甲子園の21世紀枠広島県推薦校に初めて選出されました。大変喜ばしいニュースでした。

監督 喜んでいただいて光栄です。しかしながら、昨年、12月8日に21世紀枠中国5県の代表には、別の高校が選ばれました。

達川 惜しかったですね。秋の大会はどこに負けたんですか。

監督 尾道高校(以下「尾道」)です。尾道は1回戦で広商に勝ってるんです。

達川 そうですね。広商のエースが怪我をして、投げられなかったと聞いています。

監督 尾道には、8対2で負けました。5回までは3対2で競っていたんですが。

達川 なるほど。ピッチャーが疲れてきたんでしょう。疲れるとエラーも出るし。一つエラーが出ると連鎖反応を起こしますから。

市長 今回、県推薦校に選ばれるところまで来たので、これからもう一歩、何とか頑張ってください。

達川 そうですね。上位の高校とは紙一重なんですよ。野球部員全員が広陵高校には絶対勝てないとか、広商には勝てないと思ったら勝てない。歴史を変えるんだという強い思いが大事なんです。
実業も、中国大会まで行っていたら完全に甲子園に出られている。でもね、こういう推薦を受けたというだけでも光が見えた。
主将もうれしかっただろ。

主将 うれしかったです。ただ落選して本当にがっくりしました。

達川 がっくりしたよな。分かるよ。
主将は笑顔がいいな。どこを守ってるの。

主将 キャッチャーとピッチャーです。

達川 両方やっているのか。大谷選手みたいだな。部員は何人いるの。

主将 1年生と2年生で16人です。

達川 いいね。来年1年生が10人ぐらい入ればいいね。30人くらいいれば、やりやすいですよ。強くなるよ。

主将 頑張ります。

達川 監督、やっぱり練習しかないですよ。庄原は条件的に非常に厳しいですね。寒い地域だし。雨天練習場はあるんですか。

監督 ビニールハウスを改造した、手作りのものがあります。

達川 いいですね。そこなら雨天でも練習ができますね。農業を学んでいるなら、授業の中でもクワを持って畑を耕せば、トレーニングにもなるし、野球部の子は率先してやった方がいいよ。
私の時代は校舎の階段を、1階から3階まで100往復していましたよ。一般生徒は普通に横を歩いていたし。

市長 学校のみんなが応援団だったんですよね。

達川 一生懸命やっていたら、みんな分かってくれるんです。だからやっぱり練習しかない。私は、ハンドタオルを握り込む練習を一日500回やってましたよ。

市長 昔は軟式ボールを握り込んでましたよね。

達川 そうですね。軟式でやると弾けてよく壊れるので、お金が掛かるんですよ。タオルだったら弾けることはないですからね。プロのときは、テニスボールでやっていました。高校の時は、授業中でも先生の話を聞きながらやってましたね。500回は難しく聞こえるけど、そんなに難しくない。10回1セットを50回やればいいんだから。
指は鍛えないといけないよ。やっぱりボールを投げるのも指が一番大事で、バッティングも指が一番大事だからね。

市長 達川さん、アドバイスありがとうございます。主将からも何か一言ありますか。

主将 春の甲子園出場は叶いませんでしたが、私たち野球部が県内唯一の評価を受けたことには変わりはないと思っています。今後もしっかりと心と体を鍛えつつ、勝てるチームを目標に頑張っていこうと思います。

達川 そうだね。ぜひ頑張ってね。
監督、今ピッチャーは何人いるんですか。

監督 ピッチャーは今、3人です。

達川 今の時代、一人じゃ勝てないですからね。

監督 中学時代にピッチャーをしていた子がいないので、外野手や肩の強い子をピッチャーにしています。

達川 いいじゃないですか。それで勝って初めて高校野球ですよ。初めから良い選手が来て勝ってもしょうがない。監督についていけば、甲子園に行けると思いますよ。

市長 実業の硬式野球部として、今後に向けた目標や意気込みなどを教えてください。

主将 今回、推薦校として選んでいただいて、甲子園を身近に感じることができましたが、やっぱりうれしい思いと、悔しい思いも、残ってしまいました。
ですので、この悔しい思いを、今後の大会にぶつけていけるように、しっかり日々の練習から取り組んでいこうと思います。

達川 練習しかないよ。これだけは間違いない。努力した人が成功するとは限らないけど、成功した人は必ず努力している。必ずだ。練習・努力したからといって、一人前になるとは限らないけど、一人前になった人は必ず努力してる。だから、もう努力しかない。1に努力、2に努力、3・4に努力。偶然はない。
実業も、ベスト8まで行ったというのはね、やっぱり主将をはじめ、練習をしたからだよ。

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