営農指導員のワンポイントアドバイス
営農指導員 永奥 啓(ながおく はじめ)
■初夏に向けて花卉の植え付け準備をしましょう
1 栽培の計画を立て、種子や苗、球根の手配をしておきます
4月には気温・地温がともに上昇し、花卉(かき)類の春まきや春植えの作業が始まりますが、今回は初夏における栽培の準備について紹介します。
畑の準備として、堆肥やpH(※)の調整のために石灰や基肥を入れ、耕運して畝つくりを行うほか、早めに種子や苗、球根の手配をしておきましょう。
※水の性質を示す単位。pHは0~14の数値で表され、pH7を中性とし、7より小さい場合は酸性、大きい場合はアルカリ性となる。
2 初夏頃から植える主な花卉類
(1)ヒマワリ
年中いつでも栽培可能ですが、よく売れるのは初夏から秋にかけてです。播種(はしゅ)(種まき)から開花までが非常に短期間であるため、メインの花や野菜の栽培圃(ほ)場が空いた時期にワンポイントで栽培することもおすすめです。栽培はコンパクトに作るのが良く、普通の畑であれば無肥料で、かつ株間を狭く植えます。さらに、ハウス栽培であれば潅水(かんすい)(水やり)を控えめにすることも大切です。
(2)ケイトウ
仏花としての使用が主になりますが、品種によっては家庭のテーブル花として飾れるものもあります。ヒマワリと同様にコンパクトに仕上げることが大切で、無肥料、密植が基本です。
(3)グラジオラス
家庭花壇では通常春植えにするため、開花が初夏に集中し、直売所では高単価を設定できません。そのため、開花を初秋頃にずらす工夫をするのがおすすめです。良く充実した球根を春に入手し、5℃程度の冷蔵庫で保管します。冷蔵庫から出した球根は冷暗所で外気温にならした後、畑に植え付け、たっぷりと潅水しておきます。
(4)その他の種類
その他、9月咲きの小ギクやコスモス、アスターなどたくさんあるため、今のうちに栽培の準備をしましょう。初夏の時期は花木類の挿し木を行いやすい時期なので、直売所向きの切り枝花木の選定と挿し床の準備も行いましょう。
問い合わせ:農業振興課農業振興係
【電話】0824-73-1131
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