文字サイズ
自治体の皆さまへ

心温かい人々が暮らす町 心がモヤモヤ「マイクロアグレッション」

21/31

徳島県美波町

心温かい人々が暮らす町 心がモヤモヤ「マイクロアグレッション」
~私もしてしまうかも?ほめたつもりの小さな攻撃~

「お箸の使い方が上手ですね!」「そうですか。ありがとうございます…。」友達の紹介で会った外国人との会話のひとコマです。こちらはほめたつもりですが、相手は微妙に困ったような顔で、あまり嬉しそうではありません。そんな経験はありませんか?

悪気や不快にさせる意図は全くないけれど、何気ない言葉や行動で相手を微妙に傷つけてしまうことを「マイクロアグレッション(小さな攻撃)」といいます。
冒頭の場面、言われた側は「日本に住んで随分長いんだけどなぁ…」と戸惑い、モヤモヤしているのかもしれません。この「マイクロアグレッション」は、誰でもしてしまう可能性があります。それは、私たちには子どもの頃から形成されてきた「無意識の思い込みや偏見(アンコンシャス・バイアス)」というものがあるからです。

外国の人に「お箸が上手ですね」とほめる心には、「外国の人はお箸を上手く使えない」という、自分でも気づかないうちに根付いてしまった偏りのある感じ方・考え方があるのかもしれません。このような思い込みは、誰もが持っているものなので、自然にそれが言葉や行動に出てしまい、「マイクロアグレッション」になってしまう、というわけです。
このような無意識の思い込みや偏見を減らすことにつながるような動きが、近年みられるようになりました。たとえば、多くの人が見るテレビCM(コマーシャル)。1970年代から90年代には、洗剤、掃除機、炊飯器など、家庭用品のCMに登場するのは、ほとんどが女性でした。
子どもの頃から、そのようなCMを毎日のように見て育った世代には、無意識のうちに「家事は女性の仕事」という思い込みや偏見が育っているかもしれません。そのことが、「男性なのに家事をするなんて偉いね。」といった、言われた側が戸惑いそうな「ほめ言葉」を生む元になるのです。
では、最近はどうでしょうか。男性が起用された家庭用品のCMをよく見かけるようになったと思いませんか?これらを見て育つ子どもたちには、「家事は女性がするもの」という意識は育ちにくいかもしれません。

それでは、悪意のないひとことがマイクロアグレッションにならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。まずは「そもそも自分には、多かれ少なかれ、無意識の思い込みや偏見があるのだ」ということを受け止めてみてはどうでしょう。そのうえで「自分はマイクロアグレッションをしてしまう可能性がある」と思っておくのです。そうすると、会話の後に「もしかしたら、今のはマイクロアグレッションだったかもしれない。」という気付きにつながり、「次からは気をつけよう」と意識することができます。

「萎縮して何も言えなくなる」と感じるかもしれません。でも、「マイクロアグレッションをしてはいけない」と構える必要はありません。冒頭の場面でもそうですが、同じ言葉でも、その受け止め方は、受け手によって、またお互いの関係性によって、ほめ言葉にも、モヤモヤ言葉にも変わります。
大切なのは、「言ってはいけない」ということだけに捉われず、自身の気づきに向き合い、少しずつ減らしていこうと努めることだと考えます。その積み重ねが、人間関係をスムーズに、そして絆やつながりを強く豊かにしていくことにつながるのではないでしょうか。相手のことを理解し、お互いの関係性を深めることで、きっと優しくて素敵な会話が生まれることでしょう。

町民一人ひとりが相手を思いやり、多様な価値観を認め合う社会をめざしましょう。
「心温かい人々が暮らす、にぎやかな過疎の町」美波町であり続けるために人権について考え守っていくことがまさに、“にぎやかそ”美波町まちづくりにつながります。このコーナーでは人権に対する思いを掲載していきます。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU