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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■ウメの栽培について
早春より開花を始めるウメは、梅干しや梅酒などの加工品として利用できます。しかし、開花期の気象の影響(寒波)や樹勢のアンバランスによる生理落果が多く、着果量が不安定な果樹です。また、花粉を持たない品種があり、安定生産には受粉樹が必要な場合もあります(小梅などの異品種)。今回はウメの栽培について解説します。

◇1 着花習性
ウメの着花習性は、結果枝型といわれる枝に葉芽と花芽が混在しており、2月頃から先に花が咲き、その後発芽が始まります。また、後から出てきた強勢な枝により先端枝が弱る「負け枝」と呼ばれる現象や日照不良による枝の衰弱や枯死枝が発生しやすく、整枝・剪定による不要な枝を除去して受光体制のよい樹形にすることが重要です。

◇2 剪定と基本樹形
ウメの剪定は12月~1月中旬に行う冬季剪定(落葉後)と8月頃に行う夏季剪定があります。夏季剪定は葉がついているので日当たりの悪い場所がわかりやすく日光をさえぎる枝を間引き剪定します。冬季剪定は葉が無く枝の骨格が見えやすいので樹形作りと樹勢回復を目的に枝を切除します。樹形は、主枝2~3本を等間隔に斜めに開張させ、1主枝に1~2本の横枝(亜主枝)が重ならない角度に配置し、そこから発生する細枝(側枝)に実をならせます(図1参照)。

◇3 冬季剪定のポイント
(1)主枝・亜主枝を決めて先端は樹勢に応じて軽く切り返す。先端枝付近に発生する同等の太さの枝は先端枝と競合するので除去する。
(2)主枝や亜主枝の上部から上向きに発生する強勢な徒長枝は基本的には間引き切除する(図1中の破線枝)。結果枝は水平や下向きの枝を利用すると着果しやすい(図2参照)。
(3)黒くなった古い側枝(結果枝)は元から切除し、新たな結果枝に更新する。また、中庸な立枝は先端を切り返すと短い枝が発生し翌年の結果枝として利用できる。

◇4 病害虫対策
(1)黒星病
収穫果実に数ミリのぼんやりした黒い斑点が発生し、外観を損ねる(写真1)。カビによる病気で幼果期(3月下旬~)からイオウフロアブル500倍(発病前~発病初期)、ベンレート水和剤3000倍(収穫7日前まで1回)、ファンタジスタ顆粒水和剤3000倍(収穫前日まで2回以内)などで防除を行う。
(2)カイガラムシ類(ウメシロカイガラムシ)
12月中にアタックオイル50倍を丁寧に散布する。5月上~中旬にコルト顆粒水和剤2000倍(収穫前日まで3回以内)を散布する。

※詳細は本紙をご覧ください。

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