■自主企画展「顕神の夢―幻視の表現者―村山槐多、関根正二から現代まで」(2)
10月21日から開催の本展では、現代作家の作品も多数出品しています。その中から三宅一樹(みやけいつき)(1973年生まれ)についてご紹介します。
三宅は主に木彫で作品を制作しています。「スサノオ」は、台風で半倒壊したご神木を素材にした作品です。しばらくアトリエに置かれたままだった木に、ある日突然顔のようなものを見出し、一晩で彫り上げました。素材そのものに内在する霊性を感じ、形にした結果が現在の作品の姿です。
このことは、ライフワークであるデッサンにも通じます。三宅は、「樹を愛で、スケッチをする。樹と対話する。すると樹の聲が聞こえてくる。なんとかしてそれを捉えたいと思う」と語っています。対象と直接向き合い、自らの感動を表現することが、その素材が持つ個性や特性を知ることにつながるのです。
12月2日(土)には、作家本人をお招きして、ワークショップを実施します。美術館の近くにある大宝寺で、樹木をじっくり観察しながらデッサンしてみましょう。詳細は10月下旬頃当館ホームページにて公開予定です。皆さんのご参加をお待ちしております。(品川)
▽学芸員のつぶやき
三宅の作品は、「スサノオ」の他、デッサンや板絵を展示予定です。
問い合わせ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/
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