■期間限定の白いチョウ
季節も初夏に向かい、さまざまなチョウが飛び交うようになりました。今回はこの時期見られるチョウの中から、ウスバシロチョウを紹介します。
大きさや見た目がモンシロチョウにそっくりですが、胸部に黄色い模様があることで見分けられます。山際の開けた場所などに多く、あまり翅をばたつかせずにゆったりと飛びます。
このチョウが見られるのは今の時期だけ。卵の期間がとても長く、初夏に産み落とされた卵が孵化するのはなんと翌年の2月頃!春になる直前に孵化し、ムラサキケマンというケシ科の植物を食べて育ちます。この植物は有毒ですが、近年シカが食べることが報告されています。近年、日本各地でシカの個体数が増えた結果、ウスバシロチョウも各地で減少しているようです。愛媛県では、まだ各地で飛んでいる姿が見られますが、今後の動きに注目です。(安田)
▽学芸員のつぶやき
白いチョウですが、実はアゲハチョウの仲間です。幼虫は黒い毛虫のような見た目です。来年こそは幼虫を探してみたいと思います。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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