■水田に潜む怪物、オオキベリアオゴミムシ
田んぼのイネも青々と育ち、間もなく本格的な夏。カエルで賑わう水田に、黄色い縁取り模様がある2cm程の甲虫が見つかることがあります。その名前はオオキベリアオゴミムシ。幼虫は白、黒、オレンジの派手な色をしたイモムシ。ですが、そのエサは植物ではありません。なんとカエルのみを食べて育つ偏食家なのです。アマガエルを捕食することが多いですが、時には小型のヒキガエルを食べることもあります。
どのようにして自分よりも大きなカエルを襲うのでしょうか。その秘密は幼虫の行動にあります。まず、幼虫は大アゴと触角を動かして、カエルをおびき寄せます。そして、近づいてきたカエルに食らいつき、消化液で中身を溶かしながら捕食してしまうのです。巧みにカエルに取り付き、1匹まるまる食べつくしてしまう様子はまさに怪物。
7月22日から始まる特別展「怪物昆虫」では、オオキベリをはじめ、暮らしぶりや見た目が怪物のような昆虫を多数展示します。どれも愛媛県に生息している種なので、その気になれば見つけることができるかも。現在準備中ですので、お楽しみに!(安田)
▽学芸員のつぶやき
成虫は明かりに飛んでくることもありますが、幼虫はカエルを探す以外に見つける手段がありません。もしかしたら、あなたの家の周りの田んぼに潜んでいるかも。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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