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佐田岬民俗ノート 223

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愛媛県伊方町

■三崎の村役場
現在の三崎中央集会所の横に立つ建物。現在は個人のお家ですが、実はこの建物、旧三崎村の役場でした。
三崎村としての最初の役場は、民家を借りたもので、当時の村会は伝宗寺で行われていたそうです。その後、明治43年(1910)年に役場を新築、移転したのがこの建物です。当時の議会では村役場位置変更の理由として、借りている民家では狭くて不便だということをあげられています(資料1)。
昭和30(1955)年には三崎村と神松名村が合併し三崎町となりましたが、昭和33(1958)年に三崎町庁舎が建設されるまで役場として使用されました。その後個人の民家として再利用されたのです。
戦時中には近くにあった大きな松の木から松脂をとったことや防空壕を覚えている方、婚姻届を提出しに行った方などなど…地域の方のいろんな思い出と結びついた建物でもあります。
長い間様々な人に守られて今日まで残ってきた建物ですが、そんな村役場も今年で取り壊しとなりました。1世紀以上にわたり、三崎を見つめてきた建物の最期、しっかり見届けたいものです。

(参考:『社会教育だより』66号 三崎町教育委員会『ふるさととくらしの産業II-伊方町-平成24年 愛媛県教育委員会)

理由。
事務渋滞ハ其ノ人ニ寄ルトイエドモ亦以テ家屋ノ構造ニ大ニ関スルモノニシテ目下ノ家屋ハ狭隘ニシテ執務上不便少カラサルヲ以テ大字三崎ヲミド千九百六十七番地ニ建設セル家屋ニ移転シ益々事務ノ進捗ヲ謀ラントス
明治四十二年十二月十五日提出
三崎村長 菊池篤四郎

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