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人権学習シリーズ 368

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愛媛県伊方町

■愛媛水平社一〇〇周年記念大会に参加して
五月三十日、県民文化会館メインホールにて愛媛水平社創立一〇〇周年記念大会が開催されました。伊方町からは、人権対策協議会伊方支部の役員に加え、人権研修も兼ねて、若手町職員を含めた総勢二十三名が参加しました。初めに、大阪を拠点に活動する和太鼓集団「絆」による演奏が披露されました。西日本豪雨災害で支援活動を行ったことが縁となり、名前の通り愛媛との絆を見事に表現した演奏は、私たちの心を熱くさせました。
開会宣言の後、主催者挨拶、県知事や各種人権団体代表者による祝辞が述べられ、盛大に式が始まりました。祝辞の後に、今大会の基調が読み上げられました。
「差別を受け継がず連鎖を断ち切れ。差別する者よ、恥を知れ。差別に頼る生き方を恥じよ。」
この言葉に自分自身が差別とどのように向き合うべきか、改めて考えさせられました。
その後、愛媛県水平社運動の歴史を紹介するスライドショー、「二〇〇文字の手紙」の朗読、『一〇〇年のバトンをどう受け継ぐか』と題したシンポジウムが行われました。県内で実際にあった部落差別事案を聞きながら、差別を受けた人たちの怒りや悲しみは筆舌に尽くしがたいものがあったのだと改めて感じました。一九二三年に愛媛県水平社が設立され、愛媛でも差別解消を求める運動が始まりました。
一九六〇年代に入ると法整備がなされ、同和地区の生活環境の整備・改善が進みましたが、それらは時限立法だったため、二〇〇二年に失効された後は、人々の意識の中に、部落差別は過去のもの、終わったものとの意識が芽生え始めました。同時に、インターネットの普及により、誰もが簡単に情報を入手したり、発信したりできるようになり、悪質な差別事象が拡散し始めました。まるで人々の心にくすぶっていた火の粉がインターネットという燃料により一気に燃え広がっていく、正に炎上と呼べる状況が全国的に散見されるようになりました。
そこで、二〇一六年に施行された部落差別解消推進法には、今も部落差別は変わらず存在することが明記されました。それは、人間の心にはロウソクの炎のような小さな差別の炎があるという事実があり、それに対して自分がどうするべきか考え、行動する必要があるということだと私は解釈しています。
今回の記念大会に参加し、様々なことを感じました。そしてそれは、多種多様に変化する人権問題に向き合うためにとても良い経験となりました。全ての人が差別を受けることなく、温かく平和な日々を過ごせるよう、今後も学び行動することが重要であると再認識することができました。人権問題や差別を他人事と捉えるのではなく、自身の事と考え、自分を変化させていく、その繰り返しこそが真に平等な世界を築きあげていくのではないでしょうか。

総務課人権対策係 係長 小早川淳

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