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佐田岬民俗ノート 219

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愛媛県伊方町

■二名津の灯篭職人
お盆の時期が近づいてきました。佐田岬半島の多くの地区では、新盆の家は灯篭を飾り先祖を迎えます。そしてトウロウオクリなどといった行事で灯篭を燃やしたり、海に流したりして先祖をオクリます。
今回は佐田岬半島の灯篭職人・平尾長一(ちょういち)さんをご紹介します。
平尾さんは昭和16年二名津生まれ。幼い頃から手先が器用で、細かい作業が得意でした。高校生の時、灯篭を作っていた祖父に作り方を教わりました。作り始めて60余年、年々腕は上がっているそうです。灯篭作りに対する熱意や驚くほど緻密な作業には、「作るなら人に負けたくない」という平尾さんのプライドが垣間見えます。
現在は町内各地から注文があり、お盆の3カ月以上前から製作に取りかかります。6月中旬には二名津で「トキワ」と呼ばれるカヤの一種を採りに行きます。トキワは乾燥すると折れやすくなるので、柔らかいうちに加工し、灯篭の骨組を作ります(かつてはタカキビの茎を使用していました)。トキワの加工には長年の経験から独自に編み出されたオリジナルの道具が使用されます(写真1)。
この作業と並行して、灯篭の周りにつける飾りも作ります。その作業は緻密そのもの。細かい模様を綺麗に彫り、各家庭で異なる家紋なども見事に再現します(写真2)。
貴重な職人技術、後世に受け継いでいきたいものです。平尾さん、これからも頑張ってください(^^)/
調査協力:二名津 平尾長一さん

写真1…骨組みをオリジナルの道具で作ります
写真2…灯篭の周りにつける飾り

※写真は、本紙またはPDF版21ページをご覧ください。

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