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-特集- 激動の力士前田山(2)

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愛媛県八幡浜市

■出演者たちの想い
約7か月の稽古を経て迎えた本番の舞台に、出演者たちはどんな想いで臨んだのでしょうか。
ミュージカルに関わった人たちの声をご紹介します。

○おそらく日本一、曲数と出番の多い舞台
脚本・演出 大杉良さん
市民ミュージカル3作目も脚本・演出をさせてもらいました。戦後初の横綱というだけでなく、自由奔放な人物として知られている前田山。その分、いろいろな角度で思っている人がいることを意識しながら、彼の生涯を描きました。
今回の市民ミュージカルではダブルキャストに初挑戦したこともあり、おそらく日本一、曲数と出番の多い舞台に…。出演者たちはとても大変だったと思いますが、約7か月の稽古の積み重ねは大きく、プロの目から見ても出演者たちの基礎レベルが一段と上がりました。また、舞台に関わる全員の気持ちが一つになって、「舞台ならではの『新鮮さ』がある、101点の舞台」を公演でき、私の想像以上の大きな拍手をいただけました。
観客の皆さん、そして一緒に素晴らしい舞台をつくってくれた出演者・スタッフの皆さんに、この場をお借りして感謝申し上げます。

○出演して知った郷土の偉人の魅力
「前田山英五郎」役 丸山真利奈さん
喜須来小学校出身の私は、前田山の銅像の周辺を遊び回っていました。ゆかりはあったものの、その人物像や生き様、成し遂げたことなど、詳しいことは知りませんでした。今回、市民ミュージカルの公募を見て初めて挑戦を決めたのは、前田山という人をもっと知りたかったことも、理由の一つです。
ワークショップオーディションを経て始まった稽古は、とても密度が濃い時間でした。さらに、東方では前田山の生涯の一部を演じさせていただけることになり、恐れ多いと感じていました。そのような中でもなんとか無事に成し遂げられたのは、ひとえに支えてくださった方々のおかげです。
今回のミュージカルをきっかけに、暴れん坊の一面もありつつ、数多の縁の中で相撲界を切り開いてきた郷土の偉人の魅力を知ることができました。ありがとうございました!

○これからもお芝居に関わっていきたい!
「萩森金松(※)」役 道岡春月さん
※前田山の本名
これまでに八幡浜児童合唱団のオペレッタや八幡浜ミュージカル劇団の公演に出演したことがあり、どちらも楽しかったので、今回の市民ミュージカルも興味があり参加しました。
7か月の稽古では楽しいこともしんどいこともありましたが、公演当日まで「観ている人に『楽しい』と思ってもらえるような舞台にしたい」と思って練習に励んできました。本番では、たくさんのお客さんが観てくれている中、主人公の「金松」役として舞台の真ん中で歌ったり踊ったりしたのが一番楽しかったです。また、終わった後に観客の方をお見送りした時には、知らない人にまで「よかったよ!」と言ってもらえて本当に嬉しかったです。
今回の市民ミュージカルに参加して、みんなで一つのものを作り上げて、それを発表することの楽しさをあらためて知りました。これからもお芝居に関わっていきたいです。

○裏方として感じた子どもたちの成長
サポートスタッフ 山本雅人さん
今回、主に子どもの指導係として前田山の舞台に関わりました。演者として出たことはありますが、スタッフとしては初めてです。
稽古期間の途中には子どもたちの練習への姿勢が崩れてきたこともありましたが、「せっかくやるなら一生懸命しようや。」と声をかけ、あえて様子を見守るようにしていました。その中でも、大人たちの集中力と緊張感を感じ取って、徐々にお互いの声かけや自主練習を始めた姿を見た時に、子どもたちの成長を感じました。
出演者・スタッフ全員の熱い気持ちで埋め尽くされていた本番の舞台は大成功。観客のお見送りで、子どもたちが流していた涙は、しんどさを乗り越えた充実感と感動の涙だったのだと思います。
みんなが一丸となって取り組んだ「激動の力士前田山」に関われて、とても素敵な時間を過ごさせてもらいました。

■あなたがいて、私がいる。前田山旋風に込めた「周囲への感謝」
○伝えたかった想い、前田山旋風に乗せて。
脚本を務めた大杉さんが、今回の舞台に込めたのは「人は一人では生きられない」というメッセージでした。
「市民ミュージカルの脚本を担当するうえで一番大切にしているのが、観た人に何を伝えるかという『メッセージ性』です。
前田山は戦後初の横綱という偉業の一方で、素行不良な一面もあり、輝かしい初土俵の化粧まわしを作るのにも苦労したという逸話を持つ人物。それでも多くの人に支えられ、相撲界の国際化への貢献などで認められるようになりました。
そんな彼の生涯から、『人は一人では大事を成し遂げられない』『あなたのおかげで、私がいる』という想いを、前田山の代名詞である『張り手旋風』という風に乗せて届けたいという想いで脚本を書きました。」
大杉さんが伝えたかったその想いは、ともに舞台を作り上げる出演者・スタッフに伝わり、一人一人が熱意を持ってメッセージを体現。観客席まで届いた想いは感動の拍手となって、会場に響き渡りました。
郷土の偉人の生涯を通して、今を生きる私たちにメッセージを届けられるのが、市民ミュージカルの効果であり、魅力の一つです。
前田山がいたから、この舞台ができた。
あなたがいたから、私はここまでこれた。
時を超えて出演者たちが起こした前田山の張り手旋風は、私たちに向けて「周囲への感謝」の大切さを届けてくれました。

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