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今日から始める脱炭素(ゼロカーボン)(1)

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愛媛県内子町

近年、国内外でさまざまな気象災害が発生しています。二酸化炭素などの温室効果ガス排出による地球温暖化が原因の一つで、自然環境や生態系、農作物への影響など多くのリスクが指摘されています。誰もが無関係ではいられない深刻な問題です。
今回の特集では、温室効果ガスを削減し「カーボンニュートラル」を目指す取り組みについて考えます。

■省エネ×再エネで目指す「ゼロカーボンシティうちこ」
異常気象が多発する状況は単なる気候変動ではなく、私たちの暮らしを揺るがす「気候危機」と位置づけられるようになりました。このような中で内子町は、将来の温室効果ガスの実質排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティうちこ」を宣言。気候変動問題に対するこれからの取り組みについて小野植正久(まさひさ)町長に聞きました。

◆世界共通の課題「気候危機
猛暑や集中豪雨、大型台風など、異常気象と災害を引き起こす地球温暖化。「気候危機」と呼ばれるこの状況を乗り切るため、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を削減して気温上昇を1・5℃以内に抑えることが世界共通の目標です。しかし近年、温暖化は想像以上の速さで進んでいます。これまで通りの取り組みを続けるだけでは不十分で、今からできることを考え、行動を起こさなければなりません。

◆ゼロカーボンシティうちこ
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質ゼロにすることをいいます。日本政府が2050年までのカーボンニュートラル達成を目指すことを宣言したことを受けて、内子町においてもカーボンニュートラル「ゼロカーボンシティうちこ」を目指すことを宣言しました。内子町の基準となる2013年度の二酸化炭素の排出量は16万6千トンです。まずは2030年に排出量を50%削減する「カーボンハーフ」を達成するのが目標です。

◆脱炭素戦略への思い
「ゼロカーボンシティうちこ」の実現に向けて、対策の指針となる「内子町脱炭素戦略」を策定しました。町の特性や現状を把握して、二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギーの導入目標などを定めたものです。戦略の策定には多くの皆さんに関わってもらいました。町の皆さんへのアンケートや事業者へのヒアリングなどで幅広く意見を集め、愛媛大学社会共創学部の松村暢彦(のぶひこ)先生をはじめ関係者でつくる内子町地域脱炭素推進協議会で議論を深めてきました。
この戦略策定で大事にしたのは、脱炭素を「地域課題の解決」と「地域経済活性化」の両輪で目指すことです。内子町はエネルギー代金として約33億円が町外に流出していて、そのうち約10億円が電力です。電力を再生可能エネルギー化し、それを地産地消することがかなえば、地域経済の循環に大きく貢献することができます。今回の脱炭素への取り組みを機に、エネルギーの自給自足と地域経済の活性化を図り、未来へつながる持続可能なまちづくりを推進していきます。

◆「三並み」をつなぐために
「エコロジータウン内子」を掲げる内子町にとって、環境保全はあらゆる施策の基礎となります。また内子町は「町並み、村並み、山並みが美しい、持続的に発展するまち」を掲げて、歴史や文化、景観を大切にしたまちづくりに取り組んでいます。景観の美しさは豊かな自然環境と人との調和の中で形成されるもので、これらを次世代につないでいくことは町の重点施策の一つです。気候危機は、こうした町の大切な財産を奪いかねない大きな問題なのです。
脱炭素戦略の目的は、私たちが大切にしてきた町並み・村並み・山並みを守り、子どもたちに受け継いでいくことです。取り組みには行政だけでなく、皆さん一人一人の協力が欠かせません。「ゼロカーボンシティうちこ」を実現して、将来にわたって住み続けられるまちを一緒につくっていきましょう。

内子町では2013年度の二酸化炭素排出量を基準に、2030年のカーボンハーフ(排出量50%削減)、2050年のカーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)を目指します。主な対策は、エネルギーの消費量を減らすことと、再生可能エネルギー化を推進することです。対策したうえでも削減できない分は、森林などによる吸収量を増やす取り組みや、他の場所の削減量を購入するなどして埋め合わせるオフセット対策によって、カーボンニュートラルを目指します。

◇脱炭素戦略の基本方針
1 林業×発電×熱利用で循環型社会の促進
2 町並み・村並み・山並みを持続する温故知新な再エネ導入
3 不安定な再エネ事業を官民連携でカバー

まずは2030年のカーボンハーフ達成に向けて、再生可能エネルギーの地産地消による地域活性化をテーマに3つの基本方針を掲げました。
脱炭素戦略の詳細は内子町ホームページでも公開しています。
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