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自治体の皆さまへ

キラビト Vol.8

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愛媛県四国中央市

■ユーザーインターフェイスを研ぎ澄ます
株式会社 ニコン 映像事業部開発統括部
日野光輝

▽良いカメラとは何か
現在、カメラのファームウェアを開発する部署で責任者をしています。ファームウェアとは、パソコンでいうOSのようなもので、使う人とカメラ(機械)の橋渡しが役割です。開発する上で特に気を使っているのが「使い勝手」です。
各ボタンの役割や液晶画面に表示される内容など、いわゆる「ユーザーインターフェース」を、その製品のターゲットとなるユーザーが使いやすいように作り込みます。例えば自撮りをする人をターゲットにした製品では、被写体である自分からカメラを離しても操作がしやすいように、液晶画面を反転させ、自撮りに使用するボタンだけを、押しやすいように大きく液晶画面に表示しています。
フィルムカメラの時代から使ってくれている人もいれば、スマートフォンでカメラを始めた人もいます。「誰にとっても使い勝手の良いカメラとは何か」を、日々追求しています。

▽写真は人を喜ばせる
私が最初に写真に興味を持ったのは、中学生の頃でした。写真好きだった父は、親戚の結婚式などで写真を撮ると、母と2人でアルバムを作って贈っていました。もらった相手の喜ぶ姿がとても印象的で、高校入学後に写真部に入部しました。大学進学後も写真を続け、それまでずっと使っていたカメラメーカーである当社を就職先に選びました。

▽原点 みなと祭
私は花火の写真を好んで撮ります。高校卒業までの18年間、みなと祭の花火を目にしていたからでしょうね。今でもみなと祭に合わせて帰省し、花火を撮影しています。
あまり知られていませんが、有名な隅田川の花火大会で打ち上げられる一番大きな花火が7号玉(7寸)であるのに対し、みなと祭ではそれよりも大きな8号玉(8寸)が打ち上げられます。これほどの大きさの花火をふらっと見に行ける花火大会は、東京にはありません。都会に出た人が帰りたくなる、誇るべきイベントだと思います。

▽夢を叶えるためには
何事にも興味を持ち、面白いと思ったことを深く追求することです。私も雑誌を読んだり、写真部の先生や写真屋さんに相談したりして情報を集めました。写真の「勉強」をしたつもりはありませんが、その時覚えたことが、今役に立っています。興味は変わっても、いくつあっても良いです。巡り合わせでいつか役に立ちます。今は面白いと思ったことを調べる手段がたくさんあります。ぜひ追求してください。

▽この仕事の喜び
「このカメラでこんな写真が撮れたよ」という声を聞いたり、実際に街で自分が手掛けたカメラを使っている姿を見かけたりすると、とても嬉しくなります。写真を撮るということは、突き詰めれば「自分が楽しいと思ったことを、他人に伝える」ことです。それが出来るように「ユーザーインターフェースを研ぎ澄ます」。これが私の仕事です。

Mitsuteru Hino
1978年中曽根町生まれ
中曽根保育園→中曽根小学校→三島西中学校→三島高校→慶應義塾大学、同大学院
2002年株式会社ニコン入社。レンズを開発する部署を経て、2016年から現部署。エントリー機から最上位機種まで、さまざまな製品の開発に携わる。

紙面の都合上、インタビューの一部を掲載しています。完全版はWEBでご覧ください。

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