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[巻頭PICKUP]世界に挑む伴走者

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愛媛県東温市

「伴走者」という大きなプレッシャーを抱えて挑む世界の舞台―

山下 克尚(やました・かつたか)さん(横灘団地)
西予市で生まれ育ち、現在は市内在住。順天堂大学時代にブラインドマラソン強化合宿に参加したことでこの世界を知る。7月の世界パラ陸上5000m(T11)に出場する選手の伴走を務める。

◆伴走者の役割
東京パラリンピックで日本人メダリストを輩出するなど今注目されるブラインドマラソン。マラソンだけでなく視覚障がいをもつ人が競技大会に参加するとき、障がいの程度で3つのクラスに分けられ、クラスによって伴走者をつける場合がある。伴走者は選手の目になり方向を伝えたり、障がい物を避けたり、選手が安心して走る大切な役割を担っている。

◆伴走者はランナーの目に
▽伴走者と選手とルール
「強化合宿中は毎日60Km前後は走りますね。合宿以外でも走るので月間では約1,200くらい走っています」と笑って話す山下さんは選手と共に走る「伴走者」だ。
「マラソンの伴走者は選手の表情、息遣いを判断してさまざまな情報を伝えなければなりません。選手によって反応が違うので、選手の微妙な変化に気付く力や選手に合わせる対応力が伴走者に求められます」と山下さんは話す。
伴走者は選手だけでなくルールにも気を遣う。「選手と同様に伴走者もラインの内側に入ってはならないトラック種目のルールや、選手よりも先にゴールしてはならないなど、最後まで気が抜けません。その分、一人で走るよりも達成感をより感じられます」

▽トップで走る
7月、フランスのパリで世界パラ陸上が開催される。山下さんは5000m(T11)に出場する選手の伴走につく。出場選手は世界大会経験もある実力のある選手。自身は初めての世界公式戦でパリの大舞台に立つ。
「伴走者は選手と同じように競技者として見られるのでプレッシャーは大きいです。レースに不安を感じたとき、周りの人に支えられていることを思い出すようにしています。周りの人への感謝の気持ちを自信に変えて大会に挑み、優勝を狙います」と強い眼差しで前を見つめる。
世界パラ陸上の1年後は、パリパラリンピックを控える。日本から世界へ。そして、頂点を目指して山下さんは駆け抜ける。

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