本年6月、台風2号の接近に伴う大雨により全国的に大きな被害が発生し、南知多町でも町内各所において土砂崩れ等の被害が発生しました。特に愛知県東部では「線状降水帯」が発生し、避難情報で最も警戒レベルが高い「緊急安全確保」を発令した自治体もありました。
皆さんも、近年になり「線状降水帯」という言葉を耳にする機会が増えていると思いますが、そもそも「線状降水帯」とはどのようなものなのでしょうか。
今号では、「線状降水帯」のメカニズムや特徴について解説します。
■線状降水帯とは?
通常、積乱雲は雨を降らせると1時間程度で消滅してしまいますが、次々と発生する積乱雲が同じ場所を通過することで、長時間の強雨をもたらし水害を発生させます。
この結果、上空から見ると線状に連なる強い降水地域が、同じ場所で停滞しているように映ります。
▽気象庁では線状降水帯を次のように定義しています。
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。
■線状降水帯の代表的な発生メカニズムの模式図
(1)低層を中心に大量の暖かく湿った空気の流入が持続
(2)局地的な前線や地形などの影響で空気が持ち上がり雲が発生
(3)大気の状態が不安定で湿潤な中で積乱雲が発達
(4)上空の風の影響で積乱雲や積乱雲群が線状に並ぶ
※詳しくは、本紙をご覧ください。
■線状降水帯の発生は予測できない?
気象庁は、2021年から線状降水帯が発生し、災害の危険度が高まった場合に「顕著な大雨に関する情報」を発表していましたが、本年5月25日より、発生が予測される場合にも同情報を発表することとし、気象庁ホームページにも表示されるようになりました。
しかし、線状降水帯が発生していなくても災害は起こる可能性があります。同情報が発表された場合はもちろんですが、発表されていなくても、早急に避難ができるよう準備をしましょう。
■キキクル(危険度分布)で災害の危険度を確認できます
・キキクルは、雨によって引き起こされる災害の危険度の高まりを評価・判断し、土砂災害、浸水害、洪水水害の危険度の高まりを地図上に色分けして表示します。
・「紫」が出現した段階で災害のおそれが高い状況です
▽土砂災害
2時間先までの予測
土砂キキクル
▽浸水害
1時間先までの予測
浸水キキクル
▽洪水
3時間先までの予測
洪水キキクル
▽危険度
黄(注意)→赤(警戒)→紫(危険)→黒(災害切迫)
■まずはハザードマップの確認!
ご自宅周辺のハザードマップを見て、避難が必要か確認してください。
併せて避難所の位置も把握しましょう。
なお、避難所の開設状況は、町公式ホームページ、町メール配信サービスで確認してください。
問合せ:防災危機管理室
【電話】内線222
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