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自治体の皆さまへ

今から始める血圧コントロール 高血圧を予防して、健康寿命を延ばそう(1)

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愛知県大府市

皆さんは、自分の血圧を知っていますか?
血圧が高いと、心臓や脳、腎臓などの重要な臓器に負担がかかり、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。しかし、自覚症状がないため、気付かないうちに進行してしまい、最悪の場合、突然死を招く恐れも…。
高血圧は、大人だけの問題ではありません。自分と家族の健康を守るため、子どものうちから適切な生活習慣を身に付けることが大切です。
今回の特集では、血圧を正常な範囲に保つために生活習慣の見直しや改善を実践すること…血圧コントロールについて紹介します。

■そもそも血圧って何?
血圧とは、心臓が全身へ血液を送り出すときに、血管にかかる圧力のこと。心臓から血液を送り出すときにかかる血圧(収縮期血圧)が最も高く、心臓に血液が戻るときの血圧(拡張期血圧)が最も低くなります。血圧が必要以上に高い状態が続くことを「高血圧」といいます。
血圧は24時間変動しており、気温・体調・運動・食事・ストレスなどの環境の変化でも上下します。そのため、医療機関で測定した血圧(診察室血圧)以外にも、家庭で測定した血圧(家庭血圧)を、日頃から把握することが大切です。

◇血圧の正しい測り方
(1)心臓の高さに近い上腕部で測定します。
(2)測定する前に、1~2分間安静にして、体の力を抜きます。
(3)測定中は話したり動いたりせず、リラックスした状態を保ちます。
健康管理のため、測定値は記録しておきましょう。

■あなたは何タイプ? 高血圧セルフチェック

■高血圧で血管が傷つくと、さまざまな臓器に悪影響を及ぼします
高血圧の状態が続くと血管が傷み、動脈硬化が進行します。動脈硬化で血管が硬くなると、血液を送り出すために、より高い圧力が必要となり、高血圧を引き起こします。
高血圧と動脈硬化は、互いに作用し合って血管に悪影響を及ぼし、最悪の場合、血管が詰まったり破れたりすることで、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こしてしまいます。

◇細い血管に起きる主な病気
目の異常:高血圧性網膜症・眼底出血
目の奥の細い血管が血流不足により、詰まったり破れたりすると、視力低下や失明する恐れがあります。眼底の血管は、直接目で見ることができる体内唯一の血管です。眼底検査は、高血圧などの診断・治療にも広く利用されます。

腎臓の異常:腎硬化症・腎不全
腎臓の血管に動脈硬化が起こると、血液の流れが悪くなり、腎臓に障がいをもたらします。

◇太い血管に起きる主な病気
脳の異常:脳梗塞・脳出血・認知症
脳の動脈が詰まったり、破れたりします。脳梗塞や脳出血の後遺症で体にまひが残ったり、認知症を引き起こしたりする恐れがあります。

心臓の異常:狭心症・心筋梗塞・心不全
心臓の血管が動脈硬化で狭くなり、血液が流れにくくなると狭心症や心不全のリスクが高まり、完全に詰まると心筋梗塞を引き起こします。

■高血圧は、自覚症状なく進行するサイレントキラー
高血圧の状態を放っておくとじわじわと血管を傷つけ、脳や心臓に影響を及ぼし、重大な病気を招く恐れがあります。足音を立てずに近寄ってくることから、高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれています。気付いた時には、手遅れになる危険性もあるので、病状が進む前に治療を始めることが大切です。高血圧を指摘されたら、自覚症状が無くても、必ず医療機関を受診しましょう。
市では、高血圧との関連性が高い心筋梗塞や脳出血の標準化死亡比(※)が県平均よりも高く、特定健診の結果から見ても、男女共に高血圧保健指導対象者数が県平均を超えています。さまざまな病気の原因となる高血圧を未然に防ぎ、健康寿命の延伸につなげる取り組みが急務となっています。
※標準化死亡比…全国を基準とした場合に、その地域での死亡率がどの程度高い(低い)のかを表現するもの。地域間の年齢を調整した上で算出している。

■若い頃からの生活習慣の見直しが健康のカギ
名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院
医師 山下純世さん

高血圧は、国内で約4300万人の患者がいるといわれる日本で最も患者数の多い生活習慣病です。しかし、健診で血圧が高いと言われても、自覚症状が無い場合が多く、高血圧を放置してしまう人がたくさんいます。高血圧は、ありとあらゆる臓器に影響を及ぼします。高血圧の状態が長く続くと、知らない間に全身の血管や臓器に障がいが出て、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こし、最悪の場合、突然死する恐れもあります。もし命が助かったとしても、後遺症が残ることもあります。高血圧は死亡の原因にもなりますが、健康寿命を損なう原因にもなる危険な病気です。
高血圧を予防するには、生活習慣の見直しが不可欠です。若い時から血圧を意識して生活習慣を正し、将来の循環器病を予防することが大切です。健診や血圧を測るイベントに足を運んでもらうなど、まずは自分の血圧を把握し、自身の健康を守りましょう。

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