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健康通信 〜小牧市民病院より〜

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

■悪性リンパ腫ってご存じですか?
血液内科 医長 村瀨 篤史

最近は、著名人の方々が自身の患っている病気を公表されるようになったため、「悪性リンパ腫」という病名を耳にしたことがあるかもしれません。国立がん研究センターの「がん統計」によると、悪性リンパ腫を発症した患者数は、年々増加傾向にあります。その理由としては、診断技術の進歩、高齢化(どのがんでも加齢とともに増える傾向にあります)などがあげられます。男女問わず50歳前後から発症率が増えてくる傾向にあります。

◇悪性リンパ腫はどんな病気?
悪性リンパ腫は「血液細胞のがん」です。免疫担当細胞であるリンパ球が、がん化して異常増殖をすることで、他の臓器に入り込んだり、外から他の臓器を圧迫したりして、臓器の機能不全を起こします。リンパ節腫脹・毎日おきる発熱・冬でも服を着替えないといけないくらいの寝汗・体重減少・自己免疫疾患(膠原病・特発性血小板減少性紫斑病など)をきっかけに見つかることがあります。

◇がん化したリンパ球のタイプによって
悪性リンパ腫の治療方法は異なります悪性リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・濾胞性リンパ腫・ホジキンリンパ腫・末梢性T細胞リンパ腫など非常に多くの種類に分類されます。それぞれのタイプ(組織型)によって、月単位で状態が悪くなるが治療には反応しやすいタイプ・年単位でゆっくり進行するが治療をしてもいずれ再発するタイプ・治療に非常に抵抗性なタイプなど特徴もさまざまです。
治療としては、化学療法・放射線治療・造血幹細胞移植などの選択肢があります。最近ではCAR-T療法などの新しい治療選択肢もでてきています。
悪性リンパ腫のタイプ、年齢、患者さんの状態などで、使える薬剤・治療手段が大きく異なります。今はインターネットなどでさまざまな情報を得ることができますが、その情報がすべての患者さんに必ずしもあてはまるわけではないため、悪性リンパ腫と診断されたときは、担当医の話をよく聞いて治療の相談をしていく必要があります。

◇市民の皆さんにご理解いただきたいこと
悪性リンパ腫の治療は抗がん剤治療(化学療法)が中心です。免疫機能ががんそのものや化学療法で低下しますので、感染に注意を払う必要があります。
当院は血液内科病棟をもつ数少ない病院です。免疫力の低下した患者さんの治療を行っていますので、血液内科病棟では面会や食事などの制限をさせていただいています。他病棟とは異なる制約もあり、困惑されるかもしれませんが、安全に治療を行うために必要なことですので、ご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。

病院ホームページ、診療科のページは本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご確認ください。

問合先:市民病院
【電話】76-4131

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